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専門コラム 第258話 人を魅きつけてやまない【人蕩し(ひとたらし)】の奥義

    

日本経営合理化協会というところから出版された本に、無能唱元 (むのうしょうげん) さんが残された『人蕩し秘伝 (ひとたらしひでん) [1]』(ISBN 978-4-89101-463-6:2022年)という本があります。

面白そうなので買おうかなと思いましたが、値段をみたところ10,000円前後する本だと知り、残念ですが即決できませんでした。
ただ内容の一部がネットに上がっていたので[2]、とりあえず音声だけを聞いてみたところ、先日あげたコラム[3]と重なるところがあり、更に興味を引かれました。 今日のコラムは、唱元和尚の『人蕩し秘伝』についてまとめてみます。


[1] 『人蕩し秘伝 』(日本経営合理化協会:2022年)(https://www.jmca.jp/prod/11802)

[2] [《公式》【人蕩し秘伝】(ひとたらしひでん)序章 人を魅(ひ)きつけてやまないもの|人間の欲望|5つの本能的衝動|朗読:山下ショーイチ](https://www.youtube.com/watch?v=f4jtW05vIMo)

[3] 『知識があればセールスマンは自然と煽らなくなる(2023.2.6投稿)』

  

人を魅きつけてやまない【人蕩し(ひとたらし)】の奥義

1 「人蕩し(ひとたらし)」って何?

 

無能唱元さんとはどういう方なのか。略歴を日本経営合理化協会さまのプロフィールから追ってみましょう。

無能唱元さんは昭和 14 年に長野市生にまれ、平成 23 年に亡くなっていますので大体72歳まで活躍したことになります。

唱元さんは 15 年間の参禅修行中に「すべて自分の潜在意識(=アラヤ識)が自分の人生の成功や幸福を作り出す」ことを悟り、飛騨の円空庵禅通寺小倉賢堂師より「唱元」の法名を授かります。

その後「潜在意識(=アラヤ識)」を活用した「人蕩術(じんとうじゅつ)」といわれる願望達成法を完成させます。そして全国の説法会を通じ、宗教を超えた「積極的で成功する生き方」を指導します。

特に経営者層から人気が高い唱元さんは、人生哲学・リーダー学の師として各界から敬愛されています。

ところで皆さんは、「人たらし」という言葉の意味をご存知でしょうか。

「女(男)たらし」の「たらす」というのは、「うまい言葉で女、男をだます。その結果、彼らをたぶらかす」というように、元来は決して良い意味では使われません。
しかし「人たらし」として使われたとき、「誰からも好かれる人」のことを言い、意味が正反対になります。

言葉の出どころは、確か心理学者の内藤誼人という方の作品——それは『「人たらし」のブラック交際術』『人たらしのブラック心理術』など——がヒットしたことがきっかけはないかと思いますが、それ以来「人たらし」という言葉が、一般的に使われるようになったと記憶しています。

ただ、ここで登場する無能唱元さんも、作家の森瑤子さんとの交流から察すると、年代的にはかなり先輩です。そういうことから「人たらし」は、無能唱元さんの方が先かもしれません。

いずれにしても、「人たらし」が「女たらし」のように悪い意味で使われることはありません。それより「決して悪口を言わない」こと。「この人は自分の味方」と思わせることができる才能が「人たらし」たる特性です。 戦国武将の一人、元々地位、財産のなかった豊臣秀吉や、経営者の本田宗一郎なども、典型的な「人たらし」として本書では紹介されています。

   

2 5 つの「本能的衝動」とは?

 

さて本題に入りますが、『人蕩し秘伝』で語られる人を魅きつけてやまないものの特性とは、

魅は与によって生じ求よって滅す

ということです。

つまり無能唱元さんが言う『人蕩し術』とは、
与えることによって生じるが、求めると途端に無くなる」ということになります。

たとえばお金やモノが、その最たるものです。
人は金品を頂くと、本能的に生存欲求が満たされます。

ただお金やモノを際限なく与えると、与える側も資産を失います。
よって「貧すれば鈍す」で、終いには与えた側も金品を求めるようになります。求めると途端に無くなるが人蕩しの鉄則。お金やモノを与える場合は注意が必要です。

ただ唱元さんは、人の営みには与えても減らないものもあると言います。

実は人間には 5 つの「本能的衝動」というものが備わっているらしい。

5 つの「本能的衝動」とは以下のようなものです。
1)生存本能(本能的)
2)群居衝動(衝動的)
3)自己重要感(衝動的)
4)性欲(本能的)
5)好奇心(本能的衝動)

先ほどの(1)生存本能は、お金やモノを与えると欲求が満たさるもの。

これと同じようなものに(4)性欲があります。

生存本能も性欲も、どちらも動物的本能に根ざすもの。
また限界があるという点で、両者はよく似ています。

しかし、「与えても減らず、そして、お金やモノより、もっと人を喜ばすもの」を、あなたは無限にもっているのです。  それはいったい何なのでしょう——

と、唱元和尚は問います。

   

3 「感動」「知識」「情報」こそ人が無限に与え続けられる唯一のもの

 

もうお分かりのことと思いますが、残った(2)(3)(5)が「お金やモノより、もっと人を喜ばすもの」です

つまり、群居衝動(衝動的)、自己重要感(衝動的)、そして好奇心(本能的衝動)です。

なかでも好奇心(本能的衝動)を満たす行為は「与えても減らず、そして、お金やモノより、もっと人を喜ばすもの」であり「私たちが無限にもっている」のです。

なお(2)群居衝動や(3)自己重要感は、それぞれ「孤独への恐れ」、「自己優位性・重要感に対する不足」を満たそうとする衝動からきています。

また(5)好奇心は精神的な飢えを満たそうとして生じる極めて人間的衝動です。

長くなりましたが、先ほどの問いに対する答えは、
好奇心満たすための「感動」「知識」「情報」です。

そして「感動」「知識」「情報」を与えるのは、作家や芸術家だけとは限りません。
モノを売るセールスマンにもその役割があります。

これは無能唱元さんが発した言葉ではありません。
でも本コラムの読者なら、おそらく分かるでしょう。
営業マンにとって、知識の集積が顧客の「感動」を呼び、モノを売る源泉となることを。

しかも「感動」「知識」「情報」は、どんなに人に与えても決して減少することはありません。まさに無限の資産として我々の活動を支えてくれるのです。だからでしょう。ユダヤ人はタルムードを通じ、知識の習得に精を出すよう伝えています。

なお注意点として上がっているのが、

とはいっても、金持ちにも、ただお金があることをひけらかす厭味な奴がいるように、インテリにもやたらと知識があることをふりかざすキザな奴もいます。

つまり知識の多さを自慢してはいけないということが、この本でもコラムでも言われています。

この点は十分注意してください。

そして、あなたも上手にお客さまの好奇心を満たすことで、一人前の「人蕩し」の仲間入りが出来ます。また売れている人の多くは、無意識でも自分なりの「人蕩術」を日々実践しています。 陰ながら、皆さまの健闘を祈っております。

  

  

  

 

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。