営業職に特化した人事考課制度の指導機関

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会議中のテーブル 営業考課制度 基本のかたちコース営業考課制度 基本のかたちコースについて

弊社は、営業マンのための人事考課制度の策定に当たり、「こういう手順で、この枠組みで考えればいい」という標準化した指導プログラムを確立しました。「基本のかたちコース」のアドバイス・指導は、このプログラムに沿って参加者に質問し、一緒に考えてアイデアを膨らませるというスタイルで行います。

また、経営者には「戦略に共感し、同じ視点で、同じ熱量で現場を指揮してくれる人材」が必要です。そうした人材の育成のため、人事や営業の責任者にも参加していただくことを基本としています。会社の仕組み構築にかかわったメンバーは、それを自分事としてとらえられるようになり、自律的に行動してくれるようになると考えるからです。自ら考えて気づき、納得する過程が、この制度の成果を最大化するのに役立つと信じています。

では、「基本のかたちコース」について、順次ご説明していきましょう。本コースは下記の日程で進めていきます。

  • 1日目:経営計画
  • 2日目:見込み客獲得
  • 3日目:商談獲得
  • 4日目:契約獲得
  • 5日目:ファン獲得
  • 6日目:営業考課

※弊社は、独自に考案した手順と考える枠組みを駆使して、経営者の方から理論に裏打ちされた〝ひらめき〟を引き出すことに重点を置いています。決して、押し付けたりはしません。あくまで、経営者の方とともにというのが、弊社のスタンスです。

以下、工程ごとの目的と狙いを、Q&A方式でご説明します。参考にしてください。

1日目 事業構想・経営計画

営業考課制度の指導プログラムでは、最初に「経営計画策定」に取り組みます。ここで最も重要視しているのが「理念・ビジョン」です。経営者の方から、創業時に考えていたことや思い、今後の会社経営において大切にしたい価値観などを、突き詰めてお伺いします。ポイントは、未来の「なりたい姿・ありたい姿」をどれだけ明確にイメージできるかです。具体的であればあるほど現状の課題が浮き彫りになり、実現可能性が高まります。本プログラムでは、なりたい姿・ありたい姿を実現した先にある姿まで描き出していただきます。

理念・ビジョンは営業マンにとってどんな意味を持つのでしょうか。

人にモノを売る仕事は、売る人自身に「顧客のお役に立ちたい」「顧客を良い方向に導きたい」という思いがなくては、到底成り立たちません。この原点を明確にするのが理念・ビジョンです。それを踏まえて「売る仕組み」づくりに取り組みます。我々は、市場の最前線に立つ営業マンほど、理念・ビジョンを体現してほしいと考えています。「営業マンの良さ」で選ばれるような会社になれば最高です。

現実には理念・ビジョンが「お飾り」になっている会社も多いですね。

本コースでは、顧客に自分自身の「思い」にいかに気付かせるか、見込み客やOB客からどのようにして「思い」を獲得していくかを指導します。「思い」に寄り添えば、営業マンは顧客と「より深く、より長期に」お付合いできるようになりますが、そこで大切なのは、営業マン自身がどういう思いで顧客と対峙しているのか、端的にいうと、その「こころ」の在り方が問われるのです。特に、個人客向けに高額商品を販売している会社にとっては、会社の行く末を左右するほどの経営課題になると思います。

プログラムを理念・ビジョンを抑えるところから始める狙いは?

理念・ビジョンを踏まえると、経営を俯瞰してみることができるようになります。その結果、ゴールに至るストーリーをイメージしやすくなり、「やるべきこと」の取捨選択・優先順位付けの精度も高まります。

また、基本のかたちコースの次のステップである「アドバンスド5コース」の一つに、営業理念の構築・浸透コースがあります。営業マンに「そもそも何のためにモノを売ろうとしているのか」という正しい認識を持たせて顧客と対峙させることを目的としており、ここにつながっていきます。

理念・ビジョンの次のステップは?

明確になった理念・ビジョンにどうやって到達するのかを「方針・目標・計画」の順で設定します。ポイントは、いかに現実的で具体的な実施項目を示すかです。私は「何を実施したらうまくいくのか」を経営者に自力で気づいていただくことが大切だと思っています。自らが考えて気づき、納得するという過程がなければ、いくらいい経営計画であっても、絵に描いた餅に終わってしまうからです。

自力で気づけるものですか?

最も大切なのは「自分の頭の中からいかに引き出すか」です。このため、私は「こういう手順で、この枠組みで考えればいい」という標準化した指導プログラムを確立しました。プログラムに沿って順に質問し、そこで一緒に考えてアイデアを膨らませていくという手順で気づきに持っていきます

目標を未来から逆算して考えることも、アイデアを出すにあたって有効でしょう。「10年後にこうなっていたいなら5年後にはここまでこなければならない・・・」という目標設定方法です。人は必要に迫られなければ、できそうなことしか思い浮かべないし、やろうとしません。理念・ビジョンから逆算して、今、何をしなければならないかを導き出したとき、強い意欲を生むことができます。

実際に指導された経営者の反応はどうですか?

計画書は文章ではなく、時間軸とレベル軸で描いた1枚の図形に書き込むスタイルで完成させます。このため、「現状を俯瞰して見られる」「各年度の姿をイメージしやすい」といった声や、「考えていたことが整理できてスッキリした」という言葉をいただいています。
また、順を追って質問していったことで、注力しようと考えていたターゲットが全く異なる結果になったというケースもありました。この方は、自社の強みや顧客ニーズ、競合他社との関係、将来性などを理解できたことで納得し、「これからはこれに賭ける」とやる気をみなぎらせておられました。

1日目経営計画 主な実施内容

  1. 1. ビジネスモデル
  2. 2. 理念・ビジョン
  3. 3. 方針・目標・計画

2日目マーケティング・プロモーション

消費者ニーズの多様化や低欲求社会という言葉を、ニュースなどで頻繁に耳にします。どちらも消費行動の変化を指摘するものです。というのも日本は、市場が成熟期に入り、今までのやり方ではモノが売れない時代に入っているのです。つまり、過去のマーケティング理論が通用しないのです。そんな中、売り上げアップや販路開拓に関して「インサイト」という言葉が注目されるようになってきました。インサイトとはどんな概念で、どのような効果をもたらすのでしょうか。

インサイトとは、どのようなものですか?

消費者の購買意欲のツボであり、消費者がモノを買いたくなってしまう「心のスイッチ」を指します。機能や利便性には必ずしもこだわりません。日本のトップレベルの企業でも、インサイトを意識して、商品そのものをPRせずにイメージを重視したプロモーションを展開するところが目立つようになりました。私は、コンサルティング業界の中でもいち早くインサイトをマーケティング指導に組み入れており、国内でも数少ないインサイトの実務者であると自負しているのですが、販路開拓のカギは「いかにターゲットのインサイトを刺激できるか」だと考えています。

インサイトに着目したきっかけを教えてください。

私は大学卒業後、住宅の営業職に就いていました。幸い、実績を積み上げられたのですが、当時の私が行っていたのが、「お客様が周りからどのように思われたいのか」など、心の奥底にある思い、つまり、本人も意識していない本音や深層心理に思いを巡らせて、それを叶える提案をしていたのです。

経営コンサルタントになって、多くの経営者の相談に応じているうち、それまでに苦労して学んだマーケティング理論は机上の空論であると思うようになりました。そこで必死に探し求めたのがインサイトだったのです。その正体は、私が営業マン時代に実践していたやり方そのものだったのです。

営業マンにとって、心強いノウハウなわけですね。

はい。営業マンにとって、興味の薄い見込み客に買ってもらおうとすることほどつらいものはありません。人は、欲しいと思ったときは列に並んででも買おうとしますが、関心のないものには残忍と思われるほどの行動をとります。特に最近は、売り込みを敬遠する傾向が強まっています。今はモノがあふれかえり、「売るのが難しい時代」になっていますから、販売で苦労している人ほど、インサイトの価値が分かってもらえるのではないでしょうか。

インサイトの指導プログラムとは、具体的にどのようなものでしょうか。

まず、独自に考案した考える手順とフレームワークという手法を駆使して、自社製品を「一番喜んでくれるお客様」を会社側と一緒に考え、特定します。この手法は「なるなる分析」と名付けて商標登録しています。その後、一番喜んでくれるお客様のインサイトを突き止めるのですが、図形に書き込むなどの様式で顕在欲求を掘り下げ、その根本にある気持ちを見つけ出します。そして、そのお客様が思わず「欲しい」と思ってくれる「独自のウリ」を設定するのです。

一緒に考えることがポイントですね。

インサイトを専門にするコンサル会社の多くは、大企業からの依頼を受けてインサイトを探し出す代行業をしています。しかし私は、インサイトを見つけ出すのは、商品や顧客をよく知らないコンサルタントより、社長自身や営業マンがやる方が効率的だと考えているのです。
また、大企業相手のコンサルフィーは数千万円クラスが相場ですが、中小企業が支払える額ではありません。それを考えても、中小企業の経営者が自力でインサイトを導き出し、新たな販路が拡大できればと考えています。我々のプログラムがその一助になれば、こんなにうれしいことはありません。

2日目見込み客獲得 主な実施内容

  1. 4. ターゲッティング
  2. 5. 消費者インサイト
  3. 6. 独自の売り設定

3日目見込み客フォロー

世界的ベストセラーである『ザ・ゴール』(エリヤフ・ゴールドラット著)が2001年に発売され、以降、製造業を中心に「ボトルネック」という言葉や概念が急速に普及、今ではさまざまなビジネスシーンで使われるようになりました。営業現場においても大企業を中心に、販売の流れをプロセス化して弱点をピンポイントで強化しようとする取り組みが徐々に普及。「営業プロセス」をテーマにした書籍なども出回っており、関心を持つ中小企業も増えています。

営業現場で「ボトルネック」解消に取り組むメリットを教えてください。

ボトルネックを把握するには、販売の流れをプロセス化する取り組みが必要です。そして、案件ごとにプロセス上のどこでうまくいかなかったかを明確にします。それを集計することで、営業部全体及び個々の営業マンごとの弱点が明確になり、全体に影響を及ぼす優先度の高いものから改善することで、効率よく業績を改善することができます。

通常、商談に入った案件は徹底的に管理しますが、見込み客には関心が薄いものです。弊社が指導する「営業プロセス」は、見込み客のフォローを重要視しています。経営者や営業責任者が、「営業マンが見込み客との出会いから成約に至るまで(あるいは、再購入や紹介をもらうまで)の流れ」を可視化して検証と改善を行うことで、業績を飛躍的に上げられると考えています。

「見込み客のフォロー」が重要であると考える理由は?

できる営業マンほど、お客様との初めての出会いを大事にする一方で、できない営業マンほど契約を勝ち取る商談に力を入れるため、結局は値引き競争に巻き込まれてしまいます。大切なことは、商談に至る前にいかに成約率を高めておくかです。商談での理想は、競合がない状態もしくはできるだけ競合優位にある状態であることに加え、顧客が、聞く耳を持っている、商品によって得られる価値に期待を抱いている、信用できる存在であると認めてくれていることです。その状態を作り上げるのに、出会いからスタートするのか、商談からスタートするのかでは、どちらがより成果を上げるかは明らかです。

見込み客を商談客に引き上げる精度を高めるのですね。

はい。例えば「見込み客→引き合い客→商談客→契約客」という営業プロセスの各段階で件数や通過率を見える化することにより、見込み客をフォローするプロセスにも必ず改善の目が入ります。さらに、見込み客のフォローを細分化して検証すれば、初期段階でいかに気持ちを継続させるか、後期段階でいかに気持ちを一本化させるかといった課題が見えてきますので、営業マンがやるべき取り組みもはっきりします。

また、すべての段階で通過率を高めようとするのではなく、早い段階で「踏み絵」を取り入れることで案件を絞り込み、後の工程の通過率を高めるというやり方もあります。いずれも、営業プロセスを見える化し、販売の流れを俯瞰してみることで思いつくのだと思います。

その他に、「営業プロセス」導入に際して留意していることはありますか?

大きくは、あと2点あります。
一つは、営業プロセスの可視化をモチベーションアップに活用することです。営業マンは、日々進歩しているという手ごたえが実感できれば意欲が高まります。営業責任者は目標と件数や通過率をチェックして、困ったことがあれば指導します。営業マンは、きちんと見てもらえていることが分かり、頑張ろうという意欲が生まれます。弊社では、人事考課制度と連動させることで、よりその効果を高めます。

もう一つは、案件ごとの成約率見込み及びその推移を集計することで、経営者が年度の売上額を見通せるようにすることです。弊社では、成約に至りやすい要件を、協議のうえ5~10カ条ピックアップして、それを顧客名簿に埋め込む方法で各案件にセットします。これを集計することで、経営会議では当期の売上予測に基づいた戦略を練ることができ、営業会議では毎月の契約件数・契約額の予測精度が上がり、さらには不穏な動きをしている案件に対し、成約率を高めるための建設的な議論が行えるようになります。

営業プロセスの指導に際し、注意すべきことはありますか?

弊社では、営業プロセスは「顧客名簿」を基礎資料として運用していくことをお勧めしています。案件ごとに名簿化し、そこに顧客情報や日々の面談記録の他に、営業プロセスの進捗状況や成約率見込みを記載していきます。多くのクライアント様は、顧客名簿を共有したり集計したりすることを見越して、初めからパソコンなどでデジタル化しようとしますが、弊社では、まずは紙媒体(厚紙)を活用して運用していただくようアドバイスしています。

そのメリットは、まずページを見渡して、どこに何の情報があるかをすぐに見つけられること。そして、繰り返し読みやすく、記憶にも残りやすいこと。さらに、我々が最重視しているのが、気づき・ひらめき・インスピレーションを得やすいということです。営業には前もって調べられる正解は多くありません。その時々に最適な一手を打てるようにすることを最優先すべきです。

3日目商談獲得 主な実施内容

  1. 7. 販売プロセス構築
  2. 8. 成約に至る要件
  3. 9. 予実・先行管理

4日目商談

近年、営業マンの名刺に「セールスエンジニア」「アドバイザー」「カウンセラー」などの肩書を見かけることが多くなってきました。ニーズの多様化を受けて、顧客の相談に応じる「コンサルティング」のイメージを打ち出そうとする狙いがあると思われます。特に、センスや好みが重要な決め手となる商品、高度な専門性が要求される商品、ライフスタイルに影響を与える商品などを販売する会社で多いようです。

しかし、必ずしもその営業マンがコンサルティングを活かしたセールスを正しく理解し、その手法を身に付けているとは限りません。むしろ、多くの営業マンにとっては建前に過ぎないのではないでしょうか。

コンサルティングセールスが求められるのは、契約が獲得できるか否かの重要な曲面です。実は、そのやり方を使いこなせれば、業績を上げる一番の近道となるのです。

コンサルティングセールスについて、もう少し詳しく教えてください。

辞書には「客の購入目的や購入資金など、客の立場で相談に応じながら進める販売活動」と書いてあります。その手順について、インターネット検索すると、①ニーズを聞き出す②自社の商品を提案する③顧客を説得する④契約が成立する⑤アフターフォローする、とありました。

この説明では、多くの営業マンが実践できないのも無理のないことだと思いました。実は私も、住宅の営業職からコンサルタントに転職し、現場でコンサルティングの実践を積んでようやく、コンサルティングセールスが分かるようになったのです。

一般的なコンサルティングセールスについて、問題があるのですね?

はい。近年、低欲求化という消費者心理の変化も起こっています。最初に「①ニーズを聞き出す」とありますが、顧客は明確なニーズを持ち合わせておりません。まずそこでつまずいてしまいます。さらに、情報をインターネットで簡単に得られる時代となり、売り込みを敬遠する傾向が強まっています。「②自社の商品を提案する」「③顧客を説得する」段階で、顧客の抵抗に遭ってしまいます。

つまり、これまでのマーケティングが通用しない時代になったのです。同時に、売る手順が「顧客にモノを売る」発想に基づいて組み立てられているのも、売れない原因です。売るロジックを「顧客にモノを売る」から「顧客のココロを満たす」に組み替える必要があります。

「顧客のココロを満たす」ためのポイントを教えてください。

大きく2点あります。
一つ目は、「顧客が聞く耳を持つ」ことに取り組むべきです。いかに顧客の「共感」を得るかがポイントになります。「共感」を得るためには、営業マン自身が「顧客のお役に立ちたい」「顧客を良い方向に導きたい」という思いを持つことが大前提です。さらに、会話を通じ、顧客の「行動」でも「考え」でもなく、さらにその裏にある「感じたこと」や「思い」に寄り添っていくことが求められます。

二つ目は、「顧客が商品によって得られる価値に期待を抱く」ことに取り組むべきです。顧客の欲求を高めるということであり、この工程がないと、顧客が商品を「買う」という行為に至りません。今何が必要でそのために何が欲しいかが分かっていない顧客と一緒に、顧客の潜在意識に眠る「思い」を浮かび上がらせる作業が必要です。顧客の「あるべき未来像」に気づき、共感することができれば、あとは、そこに導く手段として自社商品を提案するだけです。

営業マンがそのやり方を使いこなせるようにするために、どのように指導されますか?

確かに、言うは易く行うは難しです。弊社の「基本のかたちコース」では「図形」をイメージしながら質問を投げかけていくやり方で指導しています。本当に腹を割って話せる関係にある場合や顧客が問題の解決を心から望んでいる場合には、営業マンがその図形を顧客に見せて進めてもかまいません。

コンサルタントは、フレームワークという「考える枠組み」を使って相手のアイデアを引き出します。どのフレームワークを使うか、また、どんなフレームワークを持っているかが、コンサルティングの優劣を決める要素の一つとなっています。前述の「図形」とは、弊社が開発した潜在意識に眠る「思い」にアプローチするための考えた枠組みです。これを顧客との会話に当てはめて、上手に顧客の気づきやひらめきを引き出そうという発想です。

また、次のステップである「アドバンスド5コース」の一つに、営業トーク台本作成コースがあります。図形を使ったやり方を自在に使いこなすことを目的としています。理論と実践の懸け橋となるものとして「営業トーク台本」を位置づけ、営業マン自身に自社オリジナルの台本を作り上げていただきます。

また、営業トーク台本作成コースでは、顧客の「無意識」にアプローチする行動心理学のテクニックを紹介します。営業トーク台本をより使えるものにするために、さらに磨きをかけていただきます。

4日目契約獲得 主な実施内容

  1. 10. 商談の流れ
  2. 11. 共感の獲得
  3. 12. 契約の獲得

5日目OB客フォロー

ファンとは、自社に好意を抱いてくれる支持者や愛好者をいいます。営業マンが見込み客を追いかけることに夢中になりがちな中で、トップセールスマンはOB客とのつながりに価値を見出して高い成果をあげています。つまりOB客をファンにするということです。知人や友人のおすすめほど強いものはありません。

今後、多くの会社にとって、プロモーションよりも「OB客から見込み客を生み出すこと」が、業績の維持発展の切り札になってくると思います。その際、会社はまず、従業員に対し「実際に消費してくれた顧客に喜ばれること」に価値があるという姿勢を示すこと、さらには、従業員が具体的に行動できる仕組みを用意しておくことが必要です。

OB客の満足度をより高めることに取り組む具体的なメリットを教えてください。

短期的には、興味関心が高まることで高額な上位モデルに乗り換えてもらうアップセルや、買い上げ点数を増やしてもらうクロスセルによって売上がアップします。しかし中・長期的には、OB客からの再購入や見込み客の紹介、さらには口コミによるブランドイメージの強化などにより売上アップが期待できます。

また、OB客の満足度をより高める取り組みは、商談での成約率もアップさせます。「顧客のココロ」を満たそうとする際に最も重要なことは「実際に消費したときに感じる喜び」をリアルに想起させることです。OB客の喜びのシーンに立ち会い、生の声を聞いたり、より良い使い方のコツを知ったりすることで、営業マンの商談能力は飛躍的に高まります。

営業マンにとって「顧客満足度を高めよう」は、ただのスローガンになりがちです。

「個々人が臨機応変に対応してください」と号令をかけるだけでは全く足りません。会社がビジョン・方針などで明文化してその思いを日々伝えていくとともに、あらかじめ「契約いただいてからファンになってもらう」ステージに導くための具体的な手順を決めておく必要があります。

弊社の「基本のかたちコース」では、成果の出る具体的な行動を特定し、人事考課による信賞必罰と人材育成でその実行を強く促していきます。

契約後の満足度を高めるには、何がポイントとなりますか?

ご契約いただいた顧客から見た営業マンとは、「自分を良い方向に導いてくれたきっかけをつくってくれた人」との認識です。契約後に必要なのは、顧客に寄り添って、応援してあげるスタンスです。具体的には、困りごとがあれば解消してあげることはもちろん、興味関心を高めて、より楽しめ、より喜びを実感していただくための取り組みが必要になります。

しかし、営業マンはノルマに追われ、どうしても目の前の見込み客に集中してしまいます。思い切って「新規顧客から売上を上げる営業マン」と「OB客から売上を上げる営業マン」を分けてしまうこともありだと思います。OB客から売上を上げる営業マンは、OB客をファン化し、紹介を獲得して売上を上げていくことに専念します。

紹介いただけるファンを一定数確保できれば、経営基盤が強くなりますね。

短期的なプロモーション施策に頼らないビジネスモデルの構築は、今後、さまざまな企業でテーマ化されてくると思います。お客様に、営業マンに対して「感謝」の念を、商品に対して「愛着」の念をいかに抱いていただくのかがポイントとなります。それが伴ってはじめて、営業マンは「堂々と」紹介をお願いすることができるようになります。

注意していただきたいのが、前述の新規顧客向け営業マンとOB客向け営業マンを分けたときです。担当者が代わることで、まともに話を聞いてもらうための大前提である「共感」が途切れてしまうからです。弊社の「基本のかたちコース」では、初めてのOB訪問時に用いる「顧客カルテ」を作成し、新しい担当者があらためてOB客から「共感」を獲得する手順、顧客に寄り添い「応援してくれる人」というポジションを獲得する手順を仕組み化します。

ファンを獲得していくにあたり、注意すべきことはありますか?

大きくは、2点あります。
一つは、個々の営業マンに任せたり、営業部で対応したりではなく、経営レベルで、「OB客を資産化して中長期的に売上が上がる仕組みを構築する」という方針を打ち出すなどして、本腰を入れて取り組むことです。その方針のもと、売って終わりではなく、ファン化するところまでを前もって考えておく必要があります。

もう一つは、OB客をファン化したからといっても、営業マンが正面切って「紹介してください」と言わない限り、紹介にはありつけないと自覚することです。頼られたOB客の多くは、気分を害することはないのですが、営業マン自身が「図々しい」と感じてしまい、はっきり伝えることを躊躇する傾向があります。その後に、報告を怠らない、強引な営業をしないなど、作法とマナーに気を配りさえすれば、ためらう必要は全くありません。

また、紹介を積極的にしてくれるのは、自社を応援しようという意志を持つコアなファンです。コアなファンを作り出すには、OB客にあえて差をつけることがあってもよいと思います。OB客のうち20%がファンに、さらにその20%(全体の4%)がコアなファンになってくれることが理想です。それを下回っているようなら、経営者が主体となって理念・ビジョンから見直すレベルでの、抜本的な改革が必要だと思います。

5日目契約獲得 主な実施内容

  1. 13. 商談の流れ
  2. 14. 共感の獲得
  3. 15. 契約の獲得

6日目人事考課

働き方改革関連法の成立により、生産性向上を目的に人事考課制度への関心が急速に高まっています。システム会社はパッケージやクラウドを活用した商品を開発し、「導入や運用の手軽さ」を積極的にPRしています。そこには「コンピテンシー評価、目標管理制度、360度評価」「人事評価項目事例をご紹介いたします」などという言葉が躍っていますが、本当に生産性が向上するのでしょうか? 我々は、少なくとも営業マンに限っては、人事評価を「効率よく」行うことはできても、「適正に」行うことはできない、つまり、生産性向上は実現しないと考えています。

今までのやり方ではモノが売れないという環境下で営業マンの生産性を向上させるには、売る仕組みをしっかり示したうえで、「成果の出る行動を特定して、評価処遇で実行を促す」という思想に基づいた人事考課制度にすべきだというのが弊社の考えです。

現在普及している人事考課制度は、どこに問題があるのでしょうか?

「人事考課で求める、あるべき行動」と「現場で実際に成果が挙がる行動」にずれが生じていることです。営業マンの人事考課制度では「商品知識、提案力、交渉力・・・」という評価項目があります。これは、高い商品知識を身に着けてお客様を説得して買わせるスタイルに誘導するものです。しかし、現代の消費者の多くは、商品知識は自分で得られると思っていますし、売り込みは特に嫌がります。その結果、営業マンは、人事考課で良い評価を得るためだけに、成果につながらない行動を強いられることになります。

なぜ、逆効果となるような評価項目が普及しているのですか?

多くの中小企業では、人事考課制度の構築・運用を人事・総務部門が行っています。人事・総務部門がそのノウハウを持ち合わせていないときに〝専門家〟を入れますが、彼らは人事畑出身者が多いため、事業構想やマーケティング、セールスなどのノウハウは人事考課制度に採り入れられることはありません。しかも、私の経験上、多くの企業で採用されている営業マンの評価項目は、実は、使いまわされてきたサンプルの転用にすぎないことが分かっています。

では、営業マンの人事考課制度の構築は、どのようにすればいいのでしょうか?

営業マンの人事考課制度は、それが求める行動をとれば、当然、業績も上がっていくものでないといけませせん。ポイントは、直接売り上げアップにつながる「成果の出る行動」を特定したうえで、その行動の有無を判定する指標を決めることです。そのような評価項目を作るには、事業構想、マーケティング、セールスなどのノウハウを持つ、本当の意味での専門家に入ってもらってアドバイスを受けることが欠かせません。しっかりと戦略策定から販売、顧客のファン化までの事業の流れを精査し、営業マンが売りやすい仕組みを整えてください。

ただし、これらを行うには、大きな労力がかかります。人事考課制度で営業マンの生産性向上を求めるならば、手間なく簡単に、気軽に作れるわけではないという覚悟が必要です。

営業マンの人事考課制度の「運用」についてはどのようにお考えですか?

営業マンは、苦労して行った行動が数字に結び付き、努力が報われたと実感したときに意欲が高まり、「日々進歩している実感を得、その進歩をきちんと見てもらえている」ときに意欲が継続します。
よって、人事考課制度を導入したならば、公平公正な運用、きめ細かいモニタリングが必要になります。いったん営業マンが前向きに取り組んでくれたら、自社オリジナルの営業ノウハウを蓄積し、それを磨いていくことも可能です。商品や価格で差別化しても、すぐにまねされて追いつかれる時代です。しかし、営業ノウハウを資産化して業績を上げることは、簡単にまねできるものではありません。

報酬との連動は、どのように考えればいいのでしょうか。

従業員にとって、評価の仕方と賃金の額が変わってしまうことは一大事です。我々は、この抵抗感によって営業マンの人事考課制度の導入が遅れるくらいなら、評価項目の変更はまだしも、賃金の変更は最小限にとどめておくことをお勧めします。まずは、会社が示す成果の出る行動を行ってもらうことを優先させましょう。

人事考課制度では、一般的に態度考課・能力考課・成果考課を査定します。我々は、それに加え、会社が求める行動をしたかどうかを査定する「行動考課」を取り入れることをお勧めしています。通常、就業規則には、「基本給は、従業員各人の職務の内容、成果、意欲、遂行能力、経験及び年齢等を総合考慮のうえ決定する」と書かれています。当然、会社が求める行動をしてもらうことが含まれていると解釈できます。少しの金額で結構ですので、行動考課を査定して「行動手当」などといった名称で再配分するやり方をお勧めします。

本コースでは、これらの仕組みの構築と運用のアドバイスに加え、労働基準監督署対策として、賃金変更を実施する際の一連の作法もお伝えしていきます。

6日目営業考課制度 主な実施内容

  1. 16. 評価項目
  2. 17. 報酬連動
  3. 18. スケジュール