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専門コラム 第256話 知識があればセールスマンは自然と煽らなくなる

    

セールストークなどでよく「煽る」という言葉が出てきます。

皆さんの中にも、この「煽る」のが得意な方もいるのではないでしょうか。

ただ私の場合は、この「煽る」というセールス手法が好きではありません。
好きではありませんから、現役の頃、そういう方法は使わなかった。

もっと言うと、セールスマンが顧客や見込み客を前に簡単に「煽る」ようでは、そのセールスはお客さまに対して負けたのだと考えています。 今日のコラムは、セールスマンの「煽る」ということについて見ていきます。

  

知識があればセールスマンは自然と煽らなくなる

1 「煽る」ことより大切なことは?

 

たとえば、考えてみてください。

あなたが耐震性能を重視する、新築・リフォームの会社に勤めていたとします。

営業という立場から、折衝客に耐震工事をやるべきと強く伝えたとしましょう。その際、「地震が来たら家が倒れますよ!」と煽るようなトークをあなたは繰り広げるか?

それとも「2016 年に発生した熊本地震以降、業界では耐震等級に対する考え方が大きく変わり、現状、新築なら最上級の 3 を基準にする動きがかなり一般的になっています」と、かならず業界の動きを説明。
その上でどの辺りに耐震基準を合わせていくのが妥当か、予算を含め相談に乗ってあげる。

どちらがプロの仕事として適切なのかは、ほぼ明白です。

ここでのポイントは、
建物の耐震性には、時系列で見た場合 3 つの基準——「旧耐震」「新耐震」「2000年基準」——があり、現行の基準は「2000年基準」であること。

更に「2000年基準」で追加された木造住宅に対する以下の主な項目について
1)地盤調査の規定と地盤耐力に合った基礎の選択
2)接合部への金具取り付け
3)偏りのない耐力壁の配置
を、住宅営業として押さえなければいけません。

その上で、2016 年に発生した熊本地震では、「2000年基準」で建てられた建物(木造住宅)でも倒壊した建物があったこと。原因は、熊本地震では震度 7 の揺れが 2 回も発生したからという事実を、相談に見えたお客さまに伝える。

これが「仕事の筋」というものです。 そのため「気の利いた(または、分かっている)」工務店では——自社がそれほど耐震性にこだわっていない会社だとしても——耐震等級は、最上級の 3 を必須条件にすることが、常識だったりします。

   

2 「煽る」行為は絶対しない!

 

ですから「地震が来たら家が倒れますよ!」と煽るのも一つのセールス手法なのですが、
そんな暇と時間があるなら、事実に基づいた建築業界の流れをさらっと——この時「こんなことも知らないの」なんて雰囲気を、絶対出してはいけません——説明します。

これは断熱・気密性能についても同じです。

もう一度、セールスマンの「煽る」ということについて見てみましょう。

分からないお客さまには、セールスマンが「煽る」ことも必要でしょうし、時にはジョークを交えて「煽る」場合もあると思います。その意味で筆者は「煽る」ことを、殊更否定するつもりはありません。
ただ自分が現役だったら絶対にしないと決めているのが、この「煽る」という行為です。これは知識があれば、営業が自然と「煽る」ことをしなくなるからです。

以前にも触れたとおり、本コラムで住宅の仕事は「知識の営業」と捉えています。
それは初めて先輩や支店長が営業動向についた際、「お客さまに説明するには、知識を知らなければ成り立たない」と、心底そう感じた体験から生じたものです。

もしあなたが住宅を売ることに限界を感じていたなら、もう一度住宅について、自分がどの程度詳しく知っているか振り返ってみましょう。そして専門家と言える程に知識や知見をつければ、住宅を売ることがもっと面白くなります。 そしてあなたが限界を感じていたのは、ほとんどの場合、気合が足らないのではなく、知識が足らないことが原因と気づくでしょう。そのぐらい営業にとって、知識というものは大事なのです。

   

3 知識の深さ・教養は黙っていても滲み出るもの

 

ただ営業やセールスの仕事で注意が必要なのは、知識をつけるとその知識を誰かに喋りたくなることです。それが同僚などの場合は良いのですが、相手がお客さまの場合は困ったことになります。

それはどんなお客さまも知識を「ひけらかす」営業を煙たいと思うものなのです。なお「ひけらかす」の意味には、「売りこむ:衒売」という意味もあります。どんなに一生懸命に学んだ知識であっても、それを客前で進んで披露するものではありません。

それでも滲み出るのが知見や教養の深さです。
そのため、必要に応じて、あなたの「知識の抽斗(ひきだし)」にアクセスします。

それにセールスとは喋ることではなく、どちらかと言えば、お客さまの言葉に耳を傾ける(拝聴する)こと。根本を間違ってはいけません。

ただ必要な知識が増えてくると、営業トークが自然と「前のり」になってきます。 そういう意味で知識の習得は、必ず営業活動に良い事をもたらすでしょう。

  

  

  

 

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。