専門コラム 第399話 営業の真理は極めてシンプルなもの

前回のコラムでは「信用・信頼」が営業活動の本質ということを書きました。
今回はその続きとして、ニュースレターの特性が営業にどんな影響を与えるか、
また営業活動において「信用・信頼」を生むのは、ニュースレターの他にどのようなものがあるかをまとめます。
営業の真理は極めてシンプルなもの
なぜニュースレターを使うとお客さまから信頼を得やすいのか?
本コラムの読者ならお分かりのことでしょうが、
なぜニュースレターを使うとお客さまから信頼を得やすいのかという点を、ここで明らかにしておきましょう。
そもそもニュースレターは、顧客(厳密には「見込み客」)の「信用・信頼」を獲得するために書くものです。したがってニュースレターの発行によって、顧客の心理に「信用・信頼」が形成されるのは至極当然です。
もう少し踏み込むと、ニュースレターにはたくさんのお客さまと信頼関係を築き、お客さまの記憶に残り続ける特性があります。筆者が尊敬する小野博史流に言うと、ニュースレターは「理解、信頼、記憶」という 3 つの要素を満たします。すると「売れる下地」ができあがります。
「売れる下地」ができあがれば、あとは至極簡単です。
定期的にニュースレターを発行するだけで、営業に関するほぼ全ての問題が解決します。
ニュースレターについては、本コラムにおいてしばらく多言を要しないと考えていますが、とてもパワフルなツールであることは間違いありません。 興味がありましたら、本コラムのニュースレター関連の記事を、あたってみられるといいでしょう。
「信用・信頼」を得られるのはニュースレターだけではない!
また「信用・信頼」を得られるツールはニュースレターだけではありません。
ある営業マンの日記のようなブログから、結構な額の商品を購入した体験を綴ったえとみほさんの記事(本当に「儲かるブログ」とは)をご覧ください。この話は、こちらのコラム(『重点見込み客が途切れない方法と注意点』;2025年4月28日投稿)でも紹介させていただきました。
ようは、フェイスブックにあるテキストブログでも、内容によっては確実に読者の心を動かします。
またニュースレターやブログを持たない営業でも、
接客する姿や根本にある考えから、顧客が思わず信頼してしまう営業(もしくは販売員)もいます。
最近では、こちらの記事(『「技術」を追求すると営業はセールスが要らなくなる』)で、『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』に登場するキルデア・エスコートという女性の眼鏡店スタッフを紹介しました。彼女もその一人でしょう。
彼らに共通することは、販売する商品について、決して語ろうとはしません。
ニュースレターでも日記ブログでもそうですし、キルデア・エスコートという女性も商品の話題には一切触れません(むしろ彼女は、顧客に質問を繰り返すと言います)。
考えてみると『売り込まなくても「トップ営業」になれる!』を書いた山下ビリー氏も、彼が考案した営業メソッドの中で、ただの一度も売る商品や保険の話はしていません。そして彼のメソッドを遂行するため、ひたすらインタビュー役に徹します。
そして保険や商品の話題を一度もしていないにもかかわらず、冒頭のレストランでの会話どおり、『どうせお客さんを紹介するなら山下君に紹介しよう!』となるのです。
つまりインタビュー役に徹する行動の中で、山下君の人となり、人柄、キャラクターを売っているのです。言葉を換えると、これこそ「信用・信頼」に他なりません。
物事の真理は得てして極めてシンプルなもの
ここから言えること。
それは物事の真理とは、得てして極めてシンプルということです。
繰り返すようですが、『売り込まなくても「トップ営業」になれる!』の前半で出てくる外食のシーン。ここで山下氏の知人からレクチャーを受ける営業の本質も、言ってみればシンプルの極みです。
1)知人、知り合いを多くつくる。そして、この知り合いのなかに、
2)あなたのことを信用・信頼してくれる人、あなたのことが好きな人を多く持つ
3)すると、たったこれだけで、他の営業マンが羨むようなトップ営業になれる
しかし構造はシンプルでも、誰でも達成できるかと言えばそうではありません。
たとえば知人、知り合いを多くつくることは、あなたにとって容易いことでしょうか。
そうではありませんよね。
また「信用・信頼」してくれる人、あなたのことが好きな人を多く持つことが簡単という方は少ないでしょう。
物事の真理を掴む上で、必要なことはそう多くありません。
ただ小野博史流に言うと、その条件を満たすために「本気で活動している」会社が実に少ないだけ。やっていたとしても、極めて中途半端なものばかりです。
偶然にも、前回と本コラムをお読みの方はとてもラッキーです。
営業の本質について、またそのやり方の一部も、惜しげもなく示しているからです。
あとはあなた自身が目醒めるか、眠り続けるかを決めるだけです。
皆さまの健闘を心からお祈りしております。