専門コラム 第386話 ワンテーマ型ニュースレターで教育すると「必要性」が生まれてくる

前の記事でお伝えしたとおり、今日は「理解、信頼、記憶」という3要素に加え、「商品について語る」ことを記事化していきます。
実は小野氏が「理解、信頼、記憶」という 3 要素に加えて「商品について語る」ことを入れていたのは、このコラムでいうところの「ワンテーマ型のレター」と同じ考えです。 「ワンテーマ型のレター」がどういうものかを含めて、記事を進めていきましょう。
ワンテーマ型ニュースレターで教育すると「必要性」が生まれてくる
ニュースレターにはアラカルト型とワンテーマ型の 2 種類のレターがある
本コラムを続けてお読みの方は、大体分かると思いますが、
たまたまこの記事に行き着いた方には、「理解、信頼、記憶」だとか、「ワンテーマ型のレター」だとか言われても、何のことかさっぱり分からないのではと思います。
「理解、信頼、記憶」については、幸いにして前回のコラムが同じ内容を扱っているため、そちらに目を通していただくとして、ここではニュースレターのワンテーマ型レターとは何を指すのか、簡単に説明しておきます。
この「営業マン応援コラム」では、ニュースレターの形態を 2 パターンに分かれるとしています。
ひとつはアラカルト型、そしてもうひとつはワンテーマ型のレターです。
アラカルト型のレターとは、様々な情報を組み合わせたおもに女性向けに作られたニュースレターのこと。一般的にニュースレターとはこのアラカルト型のレターが大半を占めます。
余談ですが、ネットなどでニュースレターを紹介しているページのほとんどが、このアラカルト型のレターです。
いっぽうワンテーマ型のレターは、筆者が現役の住宅営業時代、何とか行き着いたニュースレターの形式です。
ワンテーマ型のレターは、これから住宅を建てようと計画している方が、知っていただくと役立つだろうという情報を中心に組み立てたものです。
そしてワンテーマ型は、住宅のお役立ち情報中心に構成されていることから、
またアラカルト型は、暮らしや美容といった女性が好むアラカルトの話題を中心に構成されていることから、筆者がそのように命名しました。
ワンテーマ型はアラカルト型に比べるとマイナーなレター
ただワンテーマ型の執筆例は、あまりネット検索では探せないかもしれません。
実は、それだけワンテーマ型のレターは、アラカルト型のレターに比べるとマイナーな存在です。
でも営業マンが自分でニュースレターを発行することを考えたら、ワンテーマ型のレターのほうが作りやすいと思います。というのも、仕事の必要に迫られて覚えなければいけない知見を、ほぼ全部ニュースレターの題材として使えるからです。
これがアラカルト型のニュースレターだと、仕事と関係ない主婦目線のテーマや知識を新たに仕入れることになります。好きな人にはいいですが、そうじゃない方にはとても苦痛に感じるでしょう。
そんなこともあって、ニュースレターの多くは「パソコンの操作に慣れた」女性事務員の仕事に追いやれられたというのが、筆者の偽らざる実感です。
それと、ニュースレターを発行する前に筆者が小野氏のページに出会ったとしたら、今ごろニュースレターについて、これだけ多くのことを書けたか分かりません。
なぜならアラカルト型のニュースレターは、おそらく筆者の手に余るものだったでしょうし、何よりレターの良さは分かっても、ニュースレターとの距離はもっと遠くにあったと思うからです。
ただ『ニュースレター 成功事例』をよく読むと、
小野氏もワンテーマ型のレターのことを語っていることに、最近気づきました。
それが今回テーマに据えた、「商品について語る」ことを「理解、信頼、記憶」の 3 要素に付け加えている点です。
そのことに関して、本編中盤に登場する
疑問!
しかし、お客の記憶に残り続けても、元々必要性のない商品は売れないのではないか?
という見出しに続く、高機能掃除機や保険の売り方を説明するくだりを見ると分かるでしょう。
これが従来のアラカルト型ニュースレターではなく、ワンテーマ型のレターのことを示唆しているように筆者には思えます。
ワンテーマ型ニュースレターは見込み客の教育に重点を置いたレター
では小野氏は『ニュースレター 成功事例』の上記見出し以下で、どのように説明しているか見てみましょう。
または、保険のような商品も同様です。
他社の保険と比較して優位性を示さなければ売れません。
お客のライフスタイルに合わせたアドバイスをしなければ売れません。
掃除機も保険も、ただお客の頭の中に残っているだけでは売れない商品です。
なぜなら、お客にとってはどうしても今、必要な商品ではないからです。では、どうするのか?
『ニュースレター 成功事例』より抜粋
まず、その商品を利用することによって、お客が得られるメリットを確実に伝えます。
すると、必要性と欲求が生まれます。
これを別の言い方に置き換えると、
「お客さまというのは、商品知識を刷り込むと、必要性と欲求が生まれます」
つまり商品が次第に欲しくなってくるということです。
さらに他の言い方にすると「教育を続けると、さらに興味や関心が育ってくる」ということを言っているようです。
つまり、これこそが「ワンテーマ型ニュースレター」です。
(なおここで伝えることは、お客様が得られるメリットというより、お客様が学び得た「判断基準」といったほうが近いかもしれません)
そのためワンテーマ型ニュースレターは、より見込み客の教育に重点を置いたレターといえるでしょう。
小野氏は、
伝える方法は、業界や商品によって様々です。
『ニュースレター 成功事例』より抜粋
チラシ、新聞広告、ダイレクトメール、営業マンによる説明、様々なやり方があります。
どういう方法であれ、一度、お客が得られるメリットを伝えることが必要です。
としていますが、これをニュースレターでやってしまうのがワンテーマ型です。
なお、先ほども言ったとおり、ワンテーマ型のニュースレターの執筆例はあまり検索されないでしょう。
ただ書籍を引っ張ると、神田昌典氏が主宰した実践会ニュースレターのなか(『禁断のセールスコピーライティング』)や、
本コラムでも紹介している山下ビリー氏の『売り込まなくても「トップ営業」になれる!』でも、ワンテーマ型のニュースレターは出てきます。
気になる方は当たってみるといいでしょう。