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専門コラム 第375話 ニュースレターの編集後記はどんなことを書けばいいか?

 

今日は少し趣を変えて、ニュースレターの編集後記について考えてみましょう。

それと言うのも、ある読者の方から
「ニュースレターの編集後記にどんなことを書けばよいのか、
イメージがつかないと」質問があったから。

質問を下さった方へ。

あらためて、どうもありがとうございます!

ということで、今回は編集後記について話を進めていきます。

(なおお急ぎの方は、2 つ目のチャプターからお読みください)

  

ニュースレターの編集後記はどんなことを書けばいいか?

「編集後記」とは「編集者の後書き」のこと

「編集後記」は英語ではeditor's note と表現します。

意味は編集者による後書きです。

Weblio 辞書によれば
“書籍や雑誌・小冊子などの巻末に編集者がしたためた後書きのこと。内容は自由であり編集の苦労話から本編とはあまり関係のない世間話まで”
とあります。

また『「編集後記」は誰が書くもの?「編集後記」の意味とその書き方|TRANS.Biz』では

“「編集後記」の内容は、苦労話から後日談、ちょっとした暴露話まで様々ですが、本編には載っていない編集者たちの様子が垣間見えるため、「編集後記」を楽しみにする人も少なくありません。読者に親近感や愛着を持ってもらうために一役買うこともあります”
(『「編集後記」は書き手の様子が伺える貴重な場』という見出しから抜粋)

などの記述もあります。

確かに上手な「編集後記」には、読者を惹きつける魅力と
書き手の素直な表情が見え隠れします。

また、雑誌や特定のマガジンを買ったら、本文はそっちのけで、
まず編集後記に(あるいは後書きに)ひととおり目を通す方がいるのも頷けます。

筆者の場合だと、先日このコラムで紹介させてもらった
海外文学の専門誌「Monkey」があります。

この本の責任編集者でもあり、翻訳家としても活躍されている柴田元幸氏。

こんなことを書くと怒られるかも知れませんが、
筆者は彼の翻訳より、むしろ「Monkey」の編集後記、「猿の仕事」の方が
何倍も好みです。 このように編集後記には、読者をすっかり虜にしてしまうぐらい、
不思議な魔力がありそうです。

 

必要なことは「日常の場面を切り取る」こと

では、ニュースレターの編集後記はどんなことを書けばよいでしょう?

これはもうつべこべ言わず、「あなたの日常の場面を切り取る」ことです。

つまり「本編とはあまり関係のない世間話」を探すということです。

これは編集後記に限らず冒頭の挨拶文にも言えることですが、
ニュースレターの特性として、書き手の素の表情を覗かせることが重要
と言われています。

その意味で「日常の場面を切り取る」ことこそ理に適う方法です。

編集の苦労話があれば、それを書いてもいいのです。

でもニュースレターはもっと庶民的な読み物。
もとは市井の「かわら版」に過ぎません。

現代の「かわら版」の後書きにより似合うのは、オーディナリーな逸話。
つまり「日常」です。

それが分かったら、次にすることは場面の設定です。

たとえば「日常の場面」をオンとオフで区分けしてみます。

するとオンタイムでは、仕事上の苦労や日々の悩み、
逆に喜んだこと、何かを達成して自分を労ったことなどが浮かんできます。
筆者は、オンタイムでは見学会の出来事をよく書いたものです。

またオフシーンでは、家族のこと、子どもの成長のことが浮かんきます。

次にすることは「日常の場面」を現在と過去に区分けすること。

筆者は、現在のオフシーンのことはあまり得意ではありませんでしたが、
「日常の場面」の過去の振り返り——それは自分が子どもの頃や学生時代の話——
は意外と得意でした。

たとえば筆者であれば、高校 1 年の夏休み。

部活の遠い遠い帰り道。ひとりで自転車で突っ走った線路沿いの一本道。

その帰路の途中、当時よく聴いていた曲を、大声で歌って帰った思い出を後書きに使いました。

こんな話でもいいなら、どんなにエピソードが思い描けない人でも、
自分の隠れた逸話を 2、3 本ぐらい、すぐ引っ張り出せます。

 

狙ったネタを書くのは危険?

でもなぜ部活の帰り道に大声で歌った思い出が、編集後記の題材になるか?

それは私の耳に、仮想のジューク・ボックスを一台備えているのと同じこと。

別の言い方をすれば、何でも買えるようになった今、
逆に無くしてしまうものがあることを、逸話を通じて伝わればと思いました。

この話しは当時のお客さまには、ある程度好評でした。

でも決してウケを狙って、ネタを選んだのではありません。
反対に狙ったネタでは、読者のほうが引いてしまう可能性があります。

高校の頃、そういえばこんなことがあったけれど、おかげでその当時の名曲が、
今もそらで歌える自分を素直に喜びたかった。

これが「日常の場面を切り取る」ということです。

なお「日常の場面を切り取る」という方法は、前のチャプターでも書きましたが、
冒頭のリード文や挨拶文にも同じように使えます。

ぜひあなたの日常に、あなたの読者を連れて行ってあげましょう。

そうすることで、本当の読者——それはファンと言ってもいいでしょう——が育っていきます。 皆さんの健闘を祈っております。

 

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

弊社では現在、新築住宅を手掛ける工務店・建設会社様を対象に、「売るためのロジックの再構築」に集中して取り組んでおります。

令和7年1月度以降、日本国内の主要都市で『営業力アップ』をテーマとするセミナーを順次開催し、住宅営業の工程毎の様々な売れるアイディアを提案しています。