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専門コラム 第195話 「ニュースレター 成功事例」から見えるもの

    

最近コラム執筆の関係で、度々見るようになったウェブページがあります。

昨日の記事にも登場した、小野博史氏のウェブページ[1]です。

このページに出会ったのは、筆者がすでにニュースレターを営業で使い出した頃。

筆者はのっけから彼のページに釘付になりました。
おそらく大好きな趣味の音楽などのページを含めても、このページほど、ぞっこんとなったウェブサイトはありません。

そしておそらく書籍も含め、このウェブサイトほど、生きる上で重要な読み物は無いでしょう。

そしてこのことは現在も変わりません。

今日のコラムは、約 20 年前に書かれたニュースレターのページ
——多分、今流に言うと、ランディングページなのでしょう——について、
筆者なりの感想をまとめてみます。

なお、ニュースレターに興味がある、あるいは書いてみたいという方は、

一度このページに訪れてみることをおすすめします。

何か得られるものがあるはずです。

 


 

[1] [ニュースレター 成功事例](http://www.drtool-1.com/honpen/)

  

「ニュースレター 成功事例」から見えるもの

1 とにかく圧巻の文章力はさすが!

 

ウェブページのタイトルは「ニュースレター 成功事例」となっています。

ページの中身は、燃料会社の営業として勤務する小野氏がニュースレター(情報紙と呼んでいます)と出会い、やがて同じ方法で、畑違いの注文住宅まで売ってしまう体験を赤裸々に綴ったもの。

確か以前は、冒頭のヘッドライン(「致命的なハンディキャップを持つ負け犬営業マン……」)が、ページのタイトルだったように思います。

なおこのページが出てきた当初は、クライアントとの活動の様子が時折アップされていたと記憶します。しかし、ある時を境に突然更新がなくなってしまいました。

ただ筆者が思うに、小野氏は自身のウェブサイト[2]を軸に、
地元長野で活動を続けていると思います(少し前にはレポートも出しています)。
また仮に活動していなくても、2000 年代に多くのクライアントを唸らせた、彼のウェブページからの炎は今も途絶えてはいません。

何はともあれ、早速「ニュースレター 成功事例」の紹介を進めましょう。

いきなり欠点からとなりますが、それにしてもこのページは全体的に古さを禁じ得ません。何しろ、筆者が「ニュースレター 成功事例」に出会った時から、文字一句いじっていないと思います。

しかし書かれている文章は生き生きとしており、
サイトが出来てから約 20 年弱経った今も、文字に勢いが宿っています。

これは住宅業界で一世を風靡した、コンサルタントの平 秀信氏が、
「文章の表現力は持って生まれた天性の素質」と小野氏のライティングを高く評価していることからも頷けます。

個人的に好きなライターなら他にもいますが、
小野氏の文章力の高さについては、平氏と大体同じ考えです。

特に「ニュースレター 成功事例」は「鬼のように長い」ランディングページ。
それなのにほとんどの方が、通しで読んでも「長すぎる」とは思わないでしょう。
というのも彼のライティングは、次のセンテンスを読ませる文章だから。

筆者もいっとき、小野氏の文章にハマりました。

手本と呼べる方が特にいなければ、彼の文章を研究してみるといいでしょう。
きっとニュースレターの反応も変わってくると思います。

 


 

[2] [合わずに売る!](https://drtool-b.com/)

   

2 小野氏のレターに宿るリアリティの出所とは?

  

「ニュースレター 成功事例」の前半部分に次のような一節があります。

ガスの場合、いったいどうなれば契約してくれるのか?
住宅の場合、いったいどうなれば契約してくれるのか?
まったく魅力の無い商品の場合でも、いったいどうなれば買ってくれるのか?
いずれの場合も答えはひとつ。以下のようなことを満たせば、お客は買います。

 → お客が私のことをどんな人間かを、理解している。
 → お客が私のことを燃料に関するプロとして、信頼している。
 → お客が私のことをいつも、記憶している。

あとは、他社と同等の商品さえあれば売れる。

 

これはニュースレターにおける「ザイアンスの法則」について述べたものです。

「ザイアンスの法則」とは、日本語では「単純接触効果」とも言い、人間の特性を

人は知らない人に攻撃的かつ冷淡(そのくせ)
人は会えば会うほど親密かつ好意を抱くようになる(そして)
人は相手の人間的側面(素顔)に触れたとき、より強く相手に好意を寄せるようになる。

という側面から示したもの。

小野氏はおそらく 2000 年代当時、「ザイアンスの法則」のことを知らず(仮に知っていたとしても同じだろうと思います)、「いったいどうなれば」お客は商品を買うのか、自らの手で導き出したのでしょう。

このことは次の一節からも感じ取れます。

モノを売るためのポイントは、品質ではなく、まったく別のところにある。
それがどこなのかを、私はこのときにつかみかけていました。

自分の周りを探しても「理解、信頼、記憶」という3つの要因を満たすために本気で活動している会社はいません。
やっていたとしても、極めて中途半端なものばかり。
結果が出る出ないを、今結論付ける必要はありません。
なぜなら、あなたもやったことがないからです。

一般に人は「ザイアンスの法則」のように、「〇〇〇〇の法則」「〇〇〇〇効果」という裏付けを好みます。
何故なら、それは簡単に物事の効果やメリットを実証したことになるから。

しかし小野氏は違います。

自分で体験するか、あるいは自分で導き得たものしか由としません。
だから彼の文章には「私はこのときにつかみかけていました」などの表現が出てきます。

そのぶん、小野氏のレターは「裏付け」を集めた文章にはない本当の重み
——それは物事の本質と言い替えてもいいでしょう——が感じられます。

もしかしたら、ここは好き嫌いが分かれるかもしれません。

ただ、よりリアリティを感じるのは小野氏のレターですし、
人の心に刺さる文章をモノにしたければ、小野氏のライティングから学ばれるのが正解なのかもしれません。

   

3 ドクターツールの「ニュースレター各種ひな型」のページとは

 

何となく分かってはいましたが、
このコラムからあれだけの文章を伝えるには、多少無理があったようです。

最後になりますが、以前このコラムでも紹介した
ドクターツールの「ニュースレター各種ひな型[3]」のページをお伝えしておきます。

2021 年 11 月現在、「ニュースレター各種ひな型」には、全部で17 パターンもの
ニュースレターが並んでいます。
一応ニュースレターの形式的には、ワンテーマ型ではなくアラカルト型です。
(ワンテーマ型、アラカルト型とは、筆者が名付けた形式の違い)

やはりアラカルト型のニュースレターは、プロが作ったレターという雰囲気がします。
いっぽうワンテーマ型のレターは、どうしても「営業マンが作った感」が漂います。
——そこがワンテーマ型レターの良い点なのですが……

ただ営業マンが作りやすいのは、業種にもよりますが、やはりワンテーマ型のレターです。
もしこれから始めるのであれば、ワンテーマ型のニュースレターをおすすめします。

なお、最近質問を受けた編集後記ですが、
タイトルの付け方はニュースレターによってさまざまです
——ひな型のなかには「論語に学ぶ人生の極意」なんてものもありますね。

この辺りは自由に設定してください。

なおフォントの大きさも自由に調整できるので、
サンプルだけ見ても、作る上で結構参考になります。

ただこれを見て「やっぱり無理かも」とは思わないこと。
実際のニュースレターは、もっとざっくりしたもので十分です。それを忘れずに!

皆さんの健闘を祈っております。

 


 

[3] [ニュースレター各種ひな型](http://drtool-1.com/hinagata.html)

 

 

  

  

 

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。