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専門コラム 第302話 自分だけのマスターブックを持て!

 

営業で大事なこと。それはどのようにすれば、お客さまにとって頼りになる業界の指南役、ガイド役となれるかです。

そして業界の指南役、ガイド役として顧客から慕われるには、自分がまず専門家にならなくてはいけません。ないしは専門家と言えるぐらい、知識に親しむ素地が必要です。

特に私は、他人より格段に住宅建築について無知でした。度合いでいけば、並の人の数倍も後れを取っていると自覚できる程です。

その開きを少しでも詰めるためにしたこと。
今日はそれを書くことで、この話に一旦幕を引くつもりです。 私が皆さんとの差を詰めるためにしたこと。それは自分だけのマスターブックを持つことです。

  

自分だけのマスターブックを持て!

マスターブックとは知識に飢えている人の福音書

マスターブックとは頼りになる指南書のことです。

ただ私にとってのマスターブックと言える書籍が見つかったのは、住宅営業を始めて随分経ってからです。しかしその本は確実にマスターブックと言えます。

勿体ぶるのもどうかと思うので、とりあえず書籍名を紹介しましょう。

それは西方里見さんという方の『「外断熱」が危ない!』という、エクスナレッジで出た単行本です。西方里見さんはこの他にも、「建築知識」「環境共生住宅」などの専門誌で執筆を続けており、高断熱・高気密住宅の第一人者としても有名。
また秋田県能代に、自身の西方設計工房という事務所も開設しています(もちろん、プロの設計士として、現在も現役で家づくりに関わっています)。

この書籍を正しく理解するには、本書が出た背景から入る必要があります。
確か以前にも本コラムでも紹介しています——そのときは確か『最高の断熱・エコハウスをつくる方法 令和の大改訂版』の紹介で初めて西方氏について触れたのではないでしょうか——ここでは細かく書くことは避けますが、Amazon の inge 氏のコメントにもあるとおり、

 

本書が出た頃、松井氏のグループの勢いは凄まじかった。その波及は半端ではなくて、外断熱でないものは間違いとか時流に乗ってないという烙印覚悟の状況にまで至った。

(Amazon 読者のコメントから inge 氏のもの|「外断熱」が危ない! (住宅が危ない!シリーズ) より抜粋)

 

ということが、決して大袈裟な話ではないほど、松井氏の『「いい家」が欲しい』は、業界に大きな話題を振り撒きました。

そして、

 

外断熱一色かのような流れの中で本書のように掉差すことがどれほど大変なことかわかるであろう。

(同じく同氏のコメント|「外断熱」が危ない! (住宅が危ない!シリーズ) より抜粋)

 

とありますが、西方氏は『いい家が欲しい』のアンサー本として『「外断熱」が危ない!』を書いたのではありません(タイトルは当て付けのようになっていますが)。

寧ろ、純粋に西方氏は(また同じ寒冷地域として、同胞とも言える新住協の鎌田氏らと共に)、長年に亘って懸命に取り組んできた住宅の断熱設計について、ある種のまとめを本書で著しました——少なくとも僕はそのように受け止めています。 そのためでしょう。読み終えた後、素直に感動できますし、また高断熱・高気密住宅を販売する者として、本書を一読に値する書籍(inge 氏ではありませんが、まさに住宅断熱の福音書)と捉えています。

 

正しい知識や物事の本質に勝てるモノはない

なお、この本は手元にはなく、私の同僚に貸したままです。

ただ本書を貸したままでいることが、その同僚を通じ、断熱に関する正確な情報を伝えることに寄与するなら、私は何もいうことはありません。

そのぐらい『「外断熱」が危ない!』という書籍は良い本です。

でも本書を良書として、これほど憚らないのは、それなりの理由があるはず。
そこで一晩そのことについて、ゆっくり考えてみました。

そして出た答えは、筆者が掲げる営業のやり方にも共通するものでした。
つまり正しい知識や物事の本質に勝る者なしと言うことです。

 

正しい知識がいつか評価される日が来る

ただ当面は SEO の仕組み、また大手新聞社をはじめとするマスコミの影響が膨大で、こちらが「建築基準法や省エネ関連法規でそう書かれているから」と叫んでも、相手にもしてもらえないでしょう。

それでも正しい知識や本質に迫ろうとする姿勢が正当に評価される。いずれ「そんな日が来る」と筆者は考えています。

たとえば電気代の高騰もその一つです。

今後日本でも、電気代の高騰はさらに続くと思われます。

ただそんな状況でも、快適な環境を手にするには、換気計画も考慮した高気密・高断熱設計は必須です。

しかしどういう訳か、日本ではこれまで幾度チャンスが来ても、住宅の温熱環境を軽視して来ました。また断熱設計の呼称も、プロが誤って使っていても、そのことを全く意に介さないお国柄です。

正しい高気密・高断熱住宅を推進していたら、私たちは最小限の冷暖房設備で今より快適に過ごせていたかもしれません。再エネ発電賦課金を生み出す太陽光パネルがなくても、です。

それはともかく、自分のマスターブックと出会い、それを徹底的に読み込んでみましょう。
それがきっかけとなって、あなたと周りとの開きは、以前より目立たなくなっていることでしょう。

  

  

   

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。