営業職に特化した人事考課制度の指導機関

〒150-0044
東京都渋谷区円山町6-7 1F

TEL : 03-4405-8949

専門コラム 第164話 営業において「質問力」がなぜ重要なの?【続編】

  

先週上げた記事で、営業の「質問力」はビジネスオーナーへのアプローチ以外にも、通常の集客の場面でも生かされていると述べています。

 

今回は「質問力」の【続編】ということで、通常の営業の場面で「質問力」がどのように生かされているかを見ていきます。

  

  

営業において「質問力」がなぜ重要なの?【続編】

1 営業の天才は「質問」と「沈黙」の名手

   

質問することは、営業に限らず、あらゆるコミュニケーションとって重要な役割を持ちます。

 

なぜなら特別な場合を除き、人は他人の話をあまり真剣に聞かない特性があるからです。

――「特別な場合」とは、たとえばアイドルなど、日頃から懇意にしている有名芸能人。また世評的に見て、多くの方が納得する専門家等が発する言葉など。――

 

そのことを無意識に察知している営業の天才は、見込み客に的確な質問をすることで、お客ご本人自ら喋らせることの名人です。

 

そして的確な質問を繰り出せると同時に、相手に最後まで話させることから、彼は「沈黙」の名手でもあります。

 

本コラムを断続的に読まれている方は、もうお気付きの方も多いと思いますが、この人間の脳の特性をオートクラインと言います――なおオートクラインについて、直近ではこの記事[1]が参考になるでしょう。

 

またもっと以前に遡ると、タモリ氏を例に取り上げたこともあります――確かこのときは、オートクラインではなく、別の話題で取り上げた記憶がありますが……

 

長寿番組といっても良い、タモリ氏が司会を務めるテレ朝の『ミュージックステーション』ですが、あの番組ほど、年代的にも実に多彩なアーティストが出演する番組も、最近では珍しくなってきたように思います。

 

あの番組が、一視聴者の視点から、ちっともハラハラせず落ち着いて見ていられるのは、そして出演アーティストの皆さんが、タモリ氏との会話を心から楽しんでいる様子です。

 

このことは、彼の「司会力の高さ」はもちろんのこと、営業の視点から見ると、タモリ氏が相当熟練の「質問力」の持ち主だと分かります。

 

これと同時にタモリ氏は、アーティストとの会話でちょっとした沈黙が生じようも、ビクともしません。

 

つまりあの番組を見る限り、タモリ氏は「質問力」と「沈黙」の使い方が、かなりの上級者レベルに達しています。

 

おそらくタモリ氏は営業をやらせても、十分トップセールスになる素質を持っているのでは、と想像します。

 


 

[1] 『「売らない」営業方法の補足と【オートクライン】との関係』(2021年4月投稿)

  

  

2 人間の脳は映画のフィルムと同じはたらきをしている

  

「質問力」が大事なことを、もう少し分かりやすく説明するため、この記事でもオートクラインについて解説しておきます。

 

実は私たちの脳は、話すスピードの 20 倍や 30 倍の速度で思考しています。

 

それをたとえるなら、ちょうど映画のフィルムのようなもの。

 

実際、脳の動きを説明するのに、映画のフィルムの例えはよく使われるものです。

 

そして、その一部を切り取って覗くには

  1. 文字で書くと
  2. 声に出して喋ること

ことが必要と言われています。

 

つまり人が考えをしっかり認識するのは、文字でアウトプットすること、自分の声で話すことが大切だということです。

 

先ほども言いましたが、「営業の天才は、お客ご本人自ら喋らせることの名人です」です。 

 

そして何で「本人自らに喋らせることができた」か?

 

それは取りも直さず、「的確な質問」と沈黙によるもの、ということになります。

 

逆に言えば、質問と沈黙が重要なのは、営業がお客様を説得する代わりとなるから。

 

商談を上手にまとめる営業マンが、無理に説得して「買わされた感」を残さないのは、質問と沈黙を的確に使っているからにほかありません。

 

 

3 「質問力」住宅営業に応用した実例

 

また相手に質問をされると、それだけで私たちの脳は知らぬ間にスイッチをオンになり、その答えを探そうとします。

 

つまり前項で書いた、お客様自身が自分の考えをしっかり認識するには、

1.文字で書くこと

2.声に出して喋ること

こと以外に、

3.「質問」されること

も加わっています。

 

考えてみれば、私たちが日常的に交わす会話のほとんどが、この質問から始まっているのです。

 

では見込み客との会話を説得口調ではなく、質問口調に変えるには、どうした点に気をつければ良いでしょう?

 

ここで一例を挙げてみましょう。

 

これは以前、保険営業のセミナーで、あるセールスマンから聞いたものですが、「○○は○○で○○だと思いますが~」という前置きに続けて、「いかが致しますか?」「どうなさいますか?」「どうでしょうか?」を投げかけるというもの。

 

シンプルなアイデアですが、意外に他の業界でも使えます。

 

たとえば、これを住宅営業に応用した場合は、

 

①「キッチスペースへの動線は、前回お見せしたプランにはなかった、もう一方からのウラ動線が効いています」

「こちらのウラ動線は収納スペースとしても使えるのですが、いかが致しますか?」

②「こちらのガーデンルームは、日常の洗濯物干しスペースとしても使えるほか、ご要望にも出ていました、ご主人のリモートワークスペースとしてもご活用できます」

「どちらも価格的にそう変わらないと思いますが、どうなさいますか?」

③「○○さんご自身を見てもそうだと思いますが、お子さんと同居できる期間は非常に限られてくると言われています」

「その意味で、こちらのプランのように、子供室をそれほど作り込まないほうが得策ではと思いますが、どうでしょうか?」

 

とにかく質問を投げた後、お客様に会話の主導権を譲り、営業は聞き役に転じます。

 

もちろんこれに続く会話にも、質問を上手に挟んでいきます。

 

この会話のストックをより多く持つことが、営業の天才に近づく大事な一歩です。

 

少しでも参考にしていただくと嬉しく思います。

  

 

 

  

 

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。

 

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。