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専門コラム 第163話 営業において「質問力」がなぜ重要なの?【前編】

  

前回の記事で、「ニュースレターこそ、大部分の成功のカギを握って」いると締めました。

 

この言葉自体は間違いありません。

 

正しい認識です。

 

然しながら、飛び込み訪問の成功のカギを握っているのはニュースレターだけではありません。

 

実はセールスにおいて「質問力」も、重要なカギを握っています。

 

今回は「質問力」に焦点を合わせてコラムを進めていきます。

  

  

営業において「質問力」がなぜ重要なの?【前編】

1「質問力」がなぜ重要か?

   

まず営業において「質問力」がなぜ重要か?

 

前回の記事を振り返って、この答えを確認していきましょう。

 

前回の記事は、ビジネスオーナーへのアプローチの手法でした。

 

そして、そのアプローチの手法で推奨しているのが、いわゆる飛び込み訪問です。

 

ただ一般的な飛び込み訪問ではありません。

 

ではどのようなものか。

 

それはビジネスオーナー、またはそれに類する責任者――多くの場合はオーナーの息子さんなど――ときちんと挨拶を交わし、名刺とニュースレターを渡すという、ある意味でシンプルなものです。

 

具体的には前回の記事で、『ビジネスオーナーに対する「売らない飛び込み訪問」の方法』という見出しに書かれている内容を参照してもらえればいいでしょう。

 

そして名刺とニュースレターを渡す以外で、アプローチの特徴として挙げられるのが、

 

  • 聞かれない限り住宅の話は一切しないこと
  • オーナーの業界の近況などは積極的にお聞きする
  • 必要に応じ、他者を回って得た情報などを、それとなくなく伝える

 

つまり自身の営業は、この際ニュースレターに全て任せます。

 

そしてメインは、相手の業界のことだけに絞ります。

 

こうすると相手の心理に何が起きるか?

 

  • 建築屋にしては、ウチの業界のことをよく知っている。
  • また、この業界のことをよく理解しようとしている。
  • 考えてみれば勉強熱心な奴だな。
  • 彼が来ると、つい話に夢中になってしまう。
  • 今日も業界の今後のことで話が盛り上がった……

 

このように振る舞えば、少なくとも突然の訪問でも、毛嫌いされる確率は減るでしょう。

 

仮に断られても、飛び込み訪問ですから痛くも痒くもありません。

 

その日回る件数を、淡々とこなすだけです。

 

ただ逆にこのようなスタイルで飛び込んでおきながら、友好にお付き合いが成立すると、次は仕事の依頼や紹介案件が舞い込みます。

 

それも大抵の場合が、全く競合が入らない事案です。

  

  

2「質問力」が生む絶大なる信頼関係

  

どうしてそのようなことが起きるのでしょう。

 

それはビジネスオーナー、またはそれに類する方と営業マンの間に、絶大なる信頼関係が構築されるからです。

 

それをもたらしたのは、毎月お届けするニュースレターと、営業が繰り出す多彩な「質問力」です。

 

営業において「質問力」がなぜ重要か、これで分かったのではないでしょうか。

 

しかし幾ら「質問力」が重要でも、タイミングが悪ければあっさり断られます。

 

もちろん、相手によっては「二度とくるな!」で終わることもあります。

 

ただ最初の「断り」を無事クリアできると、以降、会話の土俵を相手のテリトリーとするわけです。

余程のことがなければ、自分の業界の現状を語るオーナーと有能なインタビュアーとしての関係性は続くとみて良いでしょう。

 

そのためアプローチを仕掛けるのであれば、多くても 3 つぐらいまでに業界を絞ること。

そして歩く業界について、最低限の知識を事前に仕入れておくことをお勧めします。

 

またそうでなければ、適格な質問も繰り出せません。

 

逆に注意することですが、他社で聞いたことをあからさまに口にしないことです。

 

あなたが好意やったことも、悪意に取られては、元も子もないからです。

 

くれぐれもこの点には、十分注意して進めてください。

 

 

3「質問力」に長けた営業はみな飛び込みの経験者?

 

ではこうした「質問力」を鍛えるには、日々どういったことに注意したら良いでしょう。

 

もっとも効果があるのは、言うまでもなくロープレです。

 

特に新人営業は、展示場に入ったときなど、売れている先輩社員に指導を付けてもらうと良いでしょう。

 

なお、全てとは言いませんが、「質問力」に長けた営業は、皆さん新人時代のある時期、飛び込みを経験しています。

 

理由は簡単で、厳しい飛び込みの環境では、上手く「質問力」を駆使できない者は、すぐにドアを閉じられてしまうからです。

自ずとそれを防ごうと、営業感性が「質問力」を育てるという塩梅です。

 

もし集客の一環で、現在も飛び込みを続けている方がいれば、今は多少不本意であっても、その経験は営業のいろんな場面で効いてくることは間違いありません。

 

また営業の「質問力」はビジネスオーナーへのアプローチ以外にも、通常の集客の場面でも生かされています。

 

次回は、通常の集客の場面で使える営業の「質問力」の大切さについてお話します。

  

 

 

  

 

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。