専門コラム 第234話 ニュースレターはプライベートな話題だけでも事足りる!
先回に続き、とある不動産の営業マンを支援しているメルマガから、読者に公開しているニュースレターの話題を一部シェアしています。
本文では、先回締めたとおり、ニュースレターの型式が、これまでの半分以下にしても良いことについて書きます。
ただ「このこと」について、筆者も触れたいと思いますので、お時間がある方は少しお付き合いください——急ぐ方は、チャプター 2 から読みすすめてください。
「このこと」とは、メルマガの主も述べているとおり、ニュースレターを初めて国内に持ち込んだのは、カリスマ・マーケッターとして、あまりにも有名な神田昌典氏だということです。
そしてこのコラムでも再三にわたって触れていますが、神田氏といえば、公式に、日本で初めてダイレクトレスポンスマーケティングの考えを広く伝授した人です。 そしてメルマガの主も、若い方は特にそのことを、読書等を通じて知ってほしいのだと思います。
ニュースレターはプライベートな話題だけでも事足りる!
1 ニュースレターと「神田氏体験」のこと
「ウチの会員は意識の高い方が多いのだけど、どう言うわけか神田昌典氏のことを、知らない人が結構多いんです……」と、メルマガの主は言います。自身もこれと大体同じ考えを持っています。
ただ、神田昌典氏を好きか嫌いかでいえば、その答えは「微妙だ」、「かつてはファンだったけれど」と言うと思います。
彼の著作の殆どは読破しています。
ただ引っ越しによって本を大量に減らした際、昔読んだ神田氏のほとんどの本を処分しました。また現在の彼は、絶頂期の彼と何となく違う感じがします。そういう意味で、個人的には小阪裕司氏との違いを感じてしまいます(ご本人たちには、もちろん関係のないことでしょうが)。
したがって、今手元にあるのは初期の数冊で、新たに買い足した 3 冊は、他の人との共著など。
それも当時のように心を振わせて読んではいません。
それでも「僕ら世代の読者に」とでも言えば良いでしょうか、神田氏は特別なものをもたらしたと思います。
彼がもたらしたものは何か。
それは繰り返すようですが、ニュースレターとダイレクトレスポンスマーケティングです。
その意味で神田昌典氏のことを、同世代の読者は特別視してしまいます。
このメルマガの主も、大体筆者と同じような読書体験を持つのでしょう。
彼曰く「むかし神田昌典さんが“ニュースレターは、死んでも発行しろ!”といった」と言います。でも実際に読んだ彼の書籍で「ニュースレターにまともに触れている」本は、おそらく一冊もありません。
これは本のことではなく、神田氏の実践会ニュースレター[1]で語った
なんでニュースレターを取り上げるか……それはですねぇ、どの会社も、ニュースレターを、死んでも発行しなけりゃならないからです。ニュースレターを出さないってことは、顧客から忘れられるってこと。そして、顧客流出を促進しているってこと
神田昌典. 禁断のセールスコピーライティング (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1192-1195). Kindle 版
の部分を言っているのだと思います。
(近年まとめられた『禁断のセールスコピーライティング』(フォレスト出版 2014/5/24)は、氏が堂々と「ニュースレター」というワードを使った、過去の実践会ニュースレター集です。ニュースレター・ライティングという点では、断然、小野博史氏[2]を上げます。)
しかし、特に若い読者の方には、フォレスト出版に残る神田氏の初期の作品だけでも、読んでほしいと思います。 読んでもニュースレターというワードは多分出てきません。ただ「神田ファン」が伝えたい意味が、何となくわかると思います。
[1] 実践会ニュースレターや彼の当時のメルマガなどで、ニュースレターについて言及していたと記憶しています。
[2] [ニュースレター 成功事例](http://www.drtool-1.com/honpen/)
2 ニュースレターの内容は世間話だけでも十分!
では前置きはこのぐらいにして、本題に入ります。
結論から言うと、ニュースレターの内容は世間話だけでも十分だと言うこと。
そして極め付けは、ニュースレターは「A4 表面だけ」でも大丈夫ということです。
このコラムでも、小野博史氏のニュースレター仕様による、A3 表裏印刷(つまり A4 版表裏× 2)を基本としていました。ところが、動画を使って説明するメルマガの主のニュースレターは「A4 表面だけ」です。
実は以前このコラムでも、標準サイズが難しい方は、A4 版だけでも大丈夫と伝えてきました。
でも「A4 表面だけ」で大丈夫とは、言い切ってはなかったと思います。というのもワンテーマ型のニュースレター[3]の場合、紙面が圧倒的に足らなくなるからです。
しかしメルマガの主のニュースレターは、住宅の情報や不動産に関するの情報を不要とする、営業マンのプライベートな情報だけでまとめたニュースレターです。こういうレターなら「表面だけ」でも十分間に合うでしょう。
またワンテーマ型のニュースレターでは、情報量が多いニュースレターのほうが内容の深いレターとなります。そのため、どうしても営業キャリアが内容の優劣に直結します。これが、営業マンのプライベートな情報だけでまとめたニュースレターでは、そういった優劣が生じません。反対に新人のほうが、かえってフレッシュで伸びやかなレターが書けることもあるでしょう。
もしあなたがニュースレターには興味があるが、長く続けられるか不安だという方なら、このメルマガの主が推奨する「A4 表面だけ」構成するニュースレターのほうをおすすめします。
(ちなみにメルマガの主は、お金を払いちゃんとしたスクールで、ニュースレターというものを教わったそうです) それでも、やはりマンスリーのニュースレターですから、A4 表面だけでは心許ないという方が、本コラムで推奨している ms publisher 等で書くような、標準型のサイズを選んだら良いでのではないでしょうか。
[3] 「ワンテーマ型のニュースレター」とは本コラム上の造語で、営業マンが商品知識、また必要な知識として身につけた情報を、レターのコンテンツとして発信するニュースレターのこと。
3 隙のないニュースレターは読者から嫌われる!
そして動画で見た感じ、紙面の構成はその人の構成で構いませんが、「A4 表面だけ」で全てを表現するため、当然ながらタイトル・ヘッダーと巻末に添える所属会社名、また自身のプロフィール画像と自己紹介も、うまく組む必要があります。
あとは自由に自身のプライベート情報を自由に書きますが、その際
- 「このニュースレターは、私と出会った方にお渡ししています」
- 「いつでも不動産について(家について)相談できる人でありたいです」
といった言葉を、読者に分かるようにゴシック表記等しておくこと。
また、ニュースレター全体を通じて、
- 自信に満ちたというより、「自虐的なニュアンス」を醸し出すように書く
ということを、このメルマガの主は言っています。
これには理由があって、それは自信家や成功者に、僕ら人間は「進んで仕事を依頼しないという特性」が、あるからだと言います。角度を付けると「隙のないニュースレターは読者から嫌われる」と言えばいいでしょうか。
これは筆者も同意することで、そのためワンテーマ型のニュースレターでは、冒頭に使う挨拶文や編集後記に、「素の自分」をどれだけ出せるかに注力します。
この辺については、レターを出した読者の反応によって、強弱をつけながら調整することになります。
これが初っ端からハマると、ヒットするレターのニュアンスが分かり、その後がとてもラクになります(逆に外すと、その後にも試行錯誤が続きます)。
最後にもう一記事プラスして、
某不動産業のメルマガ&動画から得られた情報を、皆さんと共有したいと思います。
それでは、皆さんの健闘を祈っております。
記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇
弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。
営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。
また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。