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専門コラム 第225話 ダイレクトレスポンスマーケティングと営業マンとの関係

    

先頃のコラムで「ダイレクトレスポンスマーケティング」という言葉を、割と頻繁に登場させています。

無論、ダイレクトレスポンスマーケティングという言葉の意味は、ネットで調べればすぐ出てきます。また大体の意味は、自分で分かっているという方もいると思います。

ただそんな方の中にも、ネットの情報だけでは、どうも不十分なように思えるという方もいるでしょう。

ダイレクトレスポンスマーケティングは、長い歴史の中で育まれた、人間心理に基づく方法論として、本場米国では1987年のブラックマンデー後、景気に左右され難いマーケティングとして急速に広まりました。ただ先ごろ、コロナの出現によって、新たにその重要性が再評価されてくると筆者は感じています。

ただ DRM の理論体系を、本コラムで全て解説するには、些か無理があります。

そこで今回は DRM の意味を、「営業マン向け」にという限定付きで、解説してみようと思います——そのため、DRM の解説では必ず出てくる「ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)」や「顧客獲得コスト」などの相関についてなど、あえて省略しました。この辺のところ、どうかお含みおきください。

それでは、まず進めていきますね。

  

ダイレクトレスポンスマーケティングと営業マンとの関係

1 イメージ広告と対局に位置するのがダイレクトレスポンスマーケティング

 

ダイレクトレスポンスマーケティングは、広い意味で広告に関する用語です。よって DRM 云々以前に、広告は大きく 2 つに分かれることに触れなければなりません。

その意味で、最近このコラムでもお馴染みの「ザ・レスポンス」より、『広告は営業マン〜広告における最大の勘違い〜』という YouTube 動画が参考になります[1]

そしてこの動画でも言っているとおり、広告は
1)イメージ広告と
2)レスポンス広告
の 2 種類に大別できます。

 

<イメージ広告とは>
イメージ広告とは主に大手が取り組む広告。

また、マスメディアや芸能人を活用し、企業・商品・ブランドの好ましいイメージを形成することを目的にした広告です。

代表例が TVCM。

特徴として、極めて間接的な広告で、レスポンス広告とは違い、イメージ広告から直接的に商品・サービスを売ることができません。

 

<レスポンス広告とは>
これに対しレスポンス広告とは、テレビ、そして新聞やインターネット等の限られたスペース、時間帯を使って、直接販売につなげる広告。

代表例が通販型保険商品の CM や一連のテレビショッピングです。
コロナ禍では「ハズキルーペ」「博士ルーペ」が話題となりました。

またこの他にも、突き出し・記事中・記事バサミ・記事下といった新聞雑報・小枠広告や、近年ではテキストタイプのネット広告がレスポンス広告の主流に位置しています。

特徴として、レスポンス広告から直接商品が購入できること。
そのため、売る工夫が綿密に設計されています。

そしてレスポンス広告は、ダイレクトレスポンスマーケティングの思想から誕生したもので、広告としてはイメージ広告と対局に位置します。

 


 

[1] [広告は営業マン〜広告における最大の勘違い〜/小川忠洋](https://www.youtube.com/watch?v=uMGJgGhWCao)

   

2 言葉の魔法で反応が何倍にも変わる!

 

しかし「ザ・レスポンス」の『広告は営業マン〜広告における最大の勘違い〜』という動画をみても、ダイレクトレスポンスマーケティングのことは、半分しか理解できないでしょう(そもそも動画の趣旨が、「広告は営業マン」という点にあるのですから当たり前です)。

そしてダイレクトレスポンスマーケティングのことは、やはり神田昌典氏に聞くのが一番です。なぜなら DRM の理論を、本場米国から日本の市場にはじめて取り入れたのが神田氏だからです。

神田氏の名著『あなたの会社が90日で儲かる!』(フォレスト出版 1999/12/14)で彼は「感情マーケティング」や「エモーショナル・マーケティング」といった言い方を用いています。しかし、これこそ神田氏が言うダイレクトレスポンスマーケティングです。

この本の第三章「エモーショナル・マーケティングの魔法」を見ていただくと分かりますが、小見出し「広告宣伝の反応を飛躍させる鍵とは」以降に書かれていることを読むと(p108〜p123)、ダイレクトレスポンスマーケティングのことが、より実践的に理解できます。

①例えば「表現の違いだけで、お客からの電話の数が 10 倍も違う」というくだり。
ここで神田氏は人間の感情を動かすのに、
1)快楽を求める
2)苦痛から逃れる
上記の 2 つしかないと言います。

そして、快楽を求めるより苦痛から逃れるほうがより強い行動要因となり、
2)の「苦痛から逃れる」ことを強調したテキストを採用したほうが、広告の反応率を上げると説明しています(ここでは旅行代理店の小さな新聞広告を例にあげている)。

②また「レイアウトに注意するだけで、売れるはずの広告が、単なるイメージ広告に成り下がる」という説明では、
広告とは一種の売り込みだとし、広告は「読まない」「聞かない」とする消費者が多いと説明。

そこで広告とすぐ分かる「横書きレイアウト」を止め、あえて本文と同じ「縦書きレイアウト」を採用。またそちらのほうが、反応が 2 倍強も違った例を解説しています——実は広告と判別しにくいという理由から、新聞社からは「横書きレイアウト」を提案してきたようです。

このように、主にテキストベースでの広告出稿、そして顧客の反応率の違いを徹底的に追いかけたのが、いわゆるダイレクトレスポンスマーケティングの広告です。

そして「表現の違い」や文字のレイアウトをいじるだけで、多いものでは 3 倍も反応が違ってくる。この言葉の魔法に神田氏は「スリルを感じた」と、この本のなかで明かしています。

ダイレクトレスポンスマーケティングには、もちろん広告そのものの違いもありますし、
そこは無視できません。

ただ営業マンが感じる DRM の魅力は、広告の違いより、神田氏が言う言葉の魔法にこそあるのではないでしょうか。また最近のコラムでは『ショートフィルム「The Power of the Word(言葉の力)」とは』にも、近いニュアンスが感じられるかもしれません。

   

3 DRM のセールスの手段【ダイレクトメール】3 つのポイント

 

マーケティングには、集客(広告)と、もうひとつ、セールスという過程があります。
そしてダイレクトレスポンスマーケティングで行うセールスは、ほとんど場合、何らかのレター(コピーライティング)によって行われます。

『あなたの会社が90日で儲かる!』でも、DRM のセールスの手段にダイレクトメールを効果的に使っています。

ダイレクトメールについて神田氏が吐露している印象的な箇所があります。
それは、小見出し「広告宣伝の反応を飛躍させる鍵とは」の冒頭の

このダイレクトメールの成功は、私の世界観に、コペルニクス的転換をもたらした。
いままで営業というのは、アポをとって、売り込みをしなければならないと思っていた。ところが、ダイレクトメールを効果的に使えば、売り込みをしなくていいんだ、ということに気づいた。
「もう売り込みをしなくてもいい」
鎖に繋がれた奴隷が、解放される気分であった。

『あなたの会社が90日で儲かる!』より抜粋

の部分。

筆者もニュースレターが上手く回り始めた頃、「もう売り込みをしなくてもいい」「解放される」と、神田氏とほぼ同じことを心の中で言いました。

そしてこの解放こそ、営業マンがダイレクトレスポンスマーケティングの力を知る契機となります。

神田氏がダイレクトメールの重要性について論じた部分は、もう少し先の小見出し「反応を上げるだけじゃ、意味はない」からp123までの部分で、ポイントは 3 つあります。

  1. ダイレクトメールも「売り込みをしない」という基本原則を守ること
  2. 相手に得はあっても、リスクが全くない提案をしていること
  3. 次の行動を促すよう、必要な情報はすべて与えていること

特に「3.」ですが、ダイレクトメールの文章は一般的に長文です。常識的に考えたら「こんな長い文章を、誰が読むのか」、また「簡潔な文じゃないと、誰も読まない」と言われがちです。

しかし神田氏は言います。「面白ければ、長くても読む」、また「誰が読むのかというと、この商品に興味があるお客さま」だと。これは紙面上省きましたが、本コラムが推奨しているニュースレターと相通じるものがあります。

そして、このようにダイレクトメールを設計すると、セールスプロセスが実に簡単になる。なぜなら必要な情報は、すでに手紙のなかで伝えられているからだ。

『あなたの会社が90日で儲かる!』より抜粋

以上、長くなりましたが、「営業マン向け」ダイレクトレスポンスマーケティングの解説をかなり駆け足で試みました。

最後になりますが、これも神田氏初期の名著『小予算で優良顧客をつかむ方法』(ダイヤモンド社 1998/10/1)より、氏がDRM について語った一節を抜粋しておきます。

手前ミソになるが、私の顧客獲得法は「安い」「早い」「カンタン」と三拍子そろった画期的方法である。数万円の予算で、明日から誰でも実践でき、そして誰でもお客を集められる。この方法を使えば、短期的に派遣社員ですら売り上げを上げられるようになる。

広告やチラシ、ダイレクトメール等を使って優良な見込客を小予算で集める。その後、流作業で効率的に顧客をフォローし、成約まで到達する方法である。

『小予算で優良顧客をつかむ方法』「はじめに」p5より抜粋

少しでも多くの「営業マン向け」DRM 情報が伝わればと思います。

 

 

  

  

 

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。

 

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