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専門コラム 第224話 どうして初期フォローにある程度の手紙を書かなければいけないか?

    

最近よく見る動画に、ダイレクト出版の「ザ・レスポンス」というチャンネルがあります。

この動画チャンネルは、最近でも、本コラムの主張が「まんざら外れているわけではない」シリーズと勝手に銘打って、幾つか記事か上げています。
そのことは、本コラムの熱心な(?)読者なら、記憶に新しいところではと思います。

どうしてこの動画シリーズに、急に惹かれるようになったのか。

それはネットコンテンツとしてはめずらしく、営業について真摯な意見が寄せられており、特にダイレクトレスポンスマーケティングを正当に評価しているからです。

もちろん業種の違いもあり、100 % 同意できない部分もあります。
そのことで、以前、筆者の中では、ダイレクト出版を避けている部分もありました。

しかし「ザ・レスポンス」というチャンネルにより、これまでダイレクト出版という会社に対し、誤解していた部分が消えていきました。

今日上げるコラムも、リストの重要性について論じた動画をもとに話を進めています。

なお「ザ・レスポンス」というチャンネルは、ダイレクトレスポンスマーケティングの考え方をベースにするだけあって、リストの重要性について語っている動画は複数本あります。特にその中でもこちらの動画[1]が、基本事項をもれなく語っている気がします。 ですので、人によってはこの動画を見てからコラムを読んでいただだくと、より理解が深まるのではないでしょうか。


[1] [SNSはムダ。売上安定のためにこのリストを集めよう /小川忠洋](https://www.youtube.com/watch?v=1jq3JvcbeTA)

  

どうして初期フォローにある程度の手紙を書かなければいけないか?

1 あなたはサンキューレターを出していますか?

 

しかし動画を見るまでもなく、住宅営業にとり、リスト収集の重要性はすでに理解されていることかもしれません。僕たちは日頃から、展示場来場者に住所とお名前の聞き取りをお願いしています。会社によってはメールアドレスも、来場者に記載を促す工務店もあるでしょう。

そういう意味では、ダン・ケネディが唱える「リストを持たないビジネスは、ビジネスとは言わない」という意見は、大体クリアできているでしょう。

ただリスト化するところまではちゃんとしていても、肝心な運用となると、まだ雑な営業マンが多いという印象があります。

ちなみに、リスト化した顧客(見込み客)名簿に対し、すぐさま何らかのレターを書いている方はどのぐらいいるでしょうか?

たとえば、このコラムではサンキューレターというものを推奨しています。サンキューレターを自分のものにしている方は、どれだけいるでしょう。

ハガキでも手紙でもいいですし、社箋があるならそれでも構いません。
またジョー・ジラードのように、グリーティングカードにしてみるのも良いでしょう。
サンキューレターを自分のものにしているとは、直ぐ書けて、即出せるということです。

また来場したばかりの方には、自社のセールスレターを出すタイミングとしてはとても有効です。これは「来場された際にお伝え出来なかったから」という言い訳が、まだ効くからです。

差し当たり、サンキューレターの次に渡していただきたいレターが、自社の建物の特徴をまとめたセールスレターです。
建物の特徴とは、意匠など見た目の特徴から、内部の特徴(性能面のポイント)まで入ります。

筆者はそれとは別に「注文住宅を選ぶ際の注意点」をポイントにしてまとめたオリジナルレターも出していました。

それにプラスして、マンスリーのニュースレターが入ります。

依ってトータルでは、出会った1ヶ月以内に 4 通ほどのレターが届くことになります。

   

2 新人営業が陥る「カツオの一本釣り」とは?

 

もちろんこれらは、トークだけでも伝えられます。
新人の頃はアプローチブックなどを使い、わざわざアポを取ってこういう説明を客前でしたものです。

ただお客様の反応はイマイチでした。
そしてこういう説明こそ、セールスレター、ダイレクトメールなどで渡したほうが、お客様にとっても都合が良いという結論に達しました。

話を初期フォローのポイントに戻しましょう。

まとめますと、
1)サンキューレター(来場お礼の手紙)
2)自社の建物の特徴をまとめたセールスレターやダイレクトメール
3)「注文住宅を選ばれる際の注意点」をまとめたセールスレターやダイレクトメール
4)そして、マンスリーのニュースレター
の計 4 通が、初期フォローで用意するといい手紙です。

どうして初期フォローに、全部で 4 通ものレターを書くのか。それは、住宅営業の場合は特に、モノになるランク客が現れると、そのお客さまに掛かりきりになってしまうからです。

悪くいえば「カツオの一本釣り」状態になるということ。

特にプランを書く営業の場合、新規のリストに何もフォローせず、3ヶ月や半年経ってしまうこともあるでしょう。

そうなってから新規フォローしても、時期すでに遅し。
これは皆さんも経験上、分かるのではないでしょうか。

「カツオの一本釣り」を防ぐには、最低でも次のカツオ(=重点見込み)を見つけておくこと。それにいちばん効果的なのが、上記のような初期フォローを、新規リストに対して必ず実施することです。 カツオを得て一息つくのは、次のカツオを見つけてからです。

   

3 リスト管理しているはずの住宅営業がゼロを打つ理由

 

また注文住宅の新規名簿は、リスト化して短期間のうちに何らかの結論が出ます。
つまりどこかで建てるかが決まるということです。

当然ですが他社で建てた方は、リストから除外しなければいけません。
これは「カツオの一本釣り」状態になっているうちに、結構な数のリストを他社に盗られることを意味します。こうなると過去のリストから、新たに浮上する有望客が出なければ、当分の間、営業はゼロを打たねばなりません。

だからこそ、早いうちに手を打たなければいけないのです。
これも、初期フォローに 4 通もレターを出す理由です。

ちなみに筆者の知り合いの保険セールスマンは、モノになりそうな見込み客の初期フォローに 7 通から 8 通もの営業レターを出すと決めています。
特にこの方の出すサンキューレターは強力です。実物を見たら大抵の人は驚くでしょう(あくまで良い意味です)。そのぐらい、出す営業レターに命を賭けるわけです。

次回の営業応援コラムは、ダイレクトレスポンスマーケティングと営業マンとの関係について書いてみたいと考えています。 DRM に関心のある方は、楽しみにされるといいでしょう。

 

 

  

  

 

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。