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専門コラム 第26話 自分独自の考えとノウハウを駆使した改善提案で、お客様を最高の人生のゴールに導く。

現実に立脚した理想であれ

先月23日、ニューヨークで開かれた国連気候変動サミットで発せられた1人の少女の言葉に、世界の耳目が集中しました。

あなたたちは空虚な言葉で私の夢を、私の子供時代を奪った。

私たちは絶滅を前にしている。

なのに、あなたたちはお金と、永続的経済成長という『おとぎ話』を語っている。よくもそんなことが!

スウェーデンの環境活動家で16歳の高校生、グレタ・トゥーンベリさんが小さな体を震わせて投げつけた叫びは、世界各国の首脳や閣僚で埋まった国連本部の総会ホールを静まり返させました。

温室効果ガスの排出で、とどまることを知らない地球温暖化は待ったなしの対策を迫られているのに、世界の指導者たちは相も変らぬ生煮えの目標しか示さない。

そう憤るグレタさんの信念が、強烈な言葉としてほとばしったのです。

グレタさんが昨年夏にたった1人で始めた毎週金曜日の「学校ストライキ」は世界の若者の共感を呼び、先月20日には世界で400万人以上が抗議行動に参加するまでに膨れ上がりました。

これに対して、温暖化は化石燃料の使用をはじめとした人類の活動が原因ではないとする「懐疑派」と呼ばれる人たちがいます。

問題なのは、原因が人類の活動だと思っていながら、「現実に対処しようとすると、経済活動の著しい低下を招いてしまう。

グレタさんの主張は理想論」とみなす大人たちです。

そんな指導者や経済人を、グレタさんは指弾したのです。

「理想論」という言葉は、現実を無視した夢物語という意味合いで使われることがよくあります。

しかし、グレタさんの切羽詰まった思いは、地球の現実を見据えたところから湧き上がっています。

環境活動家に限らず、地球人にとって温暖化の進展は現実以外の何物でもありません。

現実に即した訴えに耳を傾けないのは、我利我欲に凝り固まっているためだと責められても仕方がないでしょう。

だからこそ、現実に立脚した理想は、やがては周りの支持と協力を得られて、実現に一歩近づくことになるのです。

1人で始めた活動が400万人のうねりに拡大したように。

自らの弱さを克服し、周りを味方につける

理想は我々自身の中にある。

同時に、理想の達成を阻むもろもろの障害もまた、我々自身の中にある。 

こう述べたのは、19世紀のイギリスの歴史家であり評論家であったトーマス・カーライルです。

彼には「この国民にしてこの政府あり」という有名な言葉もあります。

人は弱いものです。

困難に遭遇したとき、つい逃げ道をつくったり言い訳を考えたりしがちです。

それが理想の実現を妨げる大きな要因になることを、カーライルは指摘しています。

「ここまでやったんだから、仕方ない」「こんなこと、誰だってできっこない」などと思ってしまう気持ちの弱さが、理想の実現を妨げるもう1つの大きな要因です。

それは、自らの理想に対する思い入れの弱さ、中途半端さそのものであり、そんな理想が人々を引き付け、共感を呼ぶはずがありません。

思いの弱さについては、これまで何度も指摘してきました。

発明王、エジソンはこう言っています。

私は失敗したことがない。ただ、1万通りのうまくいかない方法を見つけただけだ。

不屈の闘志を感じさせます。松下幸之助の言葉も同じです。

失敗すればやり直せばいい。

やり直してダメならもう一度工夫し、もう一度やり直せばいい。

その闘志を支えたのが理想であり、夢や希望と言ってもいいかもしれません。

大事なのは、理想や夢に向かって前進を止めない自らの強さです。

時には楽観もその力になるかもしれません。

周りの支えや激励も大きく後押しするでしょう。

ラグビーW杯の第2戦で、日本代表は世界ランク2位でこれまで一度も勝ったことのないアイルランドに勝利し、世界のラグビーファンに驚きと感動を与えました。

会場にとどろいた大声援が少なからぬ力を選手たちに与えたことは明らかで、周囲の後押しは理想の実現に大きな力になるのです。

しかし、それも選手たちが勝利を信じて「死ぬほど」と当たり前のように繰り返す猛練習を重ねてきたからこそだということは、間違いなく言えるでしょう。

お客様を最高のゴールに導くために

ビジネスに話を移しましょう。

仕事上のあなたの理想とはどんなものでしょうか。

営業マンなら、自分の才覚でダントツの営業成績を挙げて順調に出世の階段を駆け上がっていくことを理想に掲げている人は多いでしょう。

それはそれでいいのですが、同時に、お客様から絶大な信頼を勝ち得て、お客様の幸福に貢献したいという気持ちを忘れてはいけないと思います。

自分だけの欲を理想にしてしまうと、いつか虚しさを感じてしまうものです。

たとえば定年後、経営者なら一線を退いた後に何が残るかを考えれば、多少は分かっていただけるのではないでしょうか。

それならば、理想の形をはじめからお客様と一体化したものに作り替えたらどうでしょうか。

つまり、お客様に幸せと満足感を得てもらうことに自分の理想を置くのです。

回りくどいように感じるかもしれませんが、そのベクトルは必ず自分の成績に反映されるはずです。

ただし、お客様に満足を与えるためには、自分なりの体系化された思想とノウハウを持たなければなりません。

体系化された思想とは、しっかりした人生観を持ったうえで、その取り組みが自分やお客様の人生にどうかかわってくるのかを筋道を立てて考えることです。

また、自分オリジナルのノウハウがなければ差は付けられませんし、お客様に感動を与えることもできません。

自分が持っているすべての知識・知見を加えて、お客様の暮らし、ひいては人生設計に対して改善提案して、お客様を最高のゴールに導いていくのです。

そこまで考えたうえでの提案であれば、お客様の信頼は絶大なものになり、あなたという存在がお客様を通じて四方に印象付けられていくはずです。

言ってみれば、1人のお客様が400万人の賛同者を呼び、スタジアムを揺らす大声援にもなりうるのです。

それは必ず、あなた自身の理想をかなえる道につながっていくでしょう。 

                                

あなたも自分独自の考えとノウハウを駆使した改善提案で、お客様を最高の人生のゴールに導きたくはありませんか?