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専門コラム 第372話 重点見込み客が途切れない方法と注意点

 

実は今週もう一件、深掘りしたいテーマがあります。

それは先日の記事[1]で発信した
“一件の契約で安心してしまっては、営業としては失格。
かならず次のランク客(重点見込み客のこと)を確保するから、
はじめて契約に対し安堵できるのだと……”
という部分です。

記事ではニュースレターに出会って、
数珠繋がりのような見込みの連鎖が生まれたのだと言いました。

その数珠繋がりのような連鎖って、どのぐらい続くの?
またその連鎖が生じた際、
営業としてどういう点に注意すればいいの?

この点が言葉足らずでしたので、
もう少し深掘りしていきます。


[1] 契約するだけではダメ!営業が安堵できるのは次のランク客を見据えてから』(2025.4.21投稿済み)

  

重点見込み客が途切れない方法と注意点

安定受注のメリット。それは営業マンに安心を与えること

深掘りのポイントは 2 点です。
ひとつはニュースレターの質を上げるということ。
そしてもうひとつが、断るお客さまもきちんと選別すること、です。

ただこの 2 点の前に、
営業にとって安定受注がどれほど大事なのか、
また安定受注のためにどのぐらい見込みの連鎖があると安心か
に触れておきます。

まず安定受注がどれほど大事なのか。

これについては前述の記事を
再読いただくのがいちばん確実だと思います。

ただ「数字が読める」という他に、新たに付け加えるとすれば、
安定受注は営業マンに何より安心感を与えること。
これが最大のメリットでしょう。

また安心を得た営業マンは、仕事のミスが激減します。

そして仕事のミスで営業がいちばん避けたいこと。
それは、契約してはいけないお客さまを受注することです。
(このことについては、最後のトピックで扱います)

このように安定受注は、営業に数多の良きことをもたらします。

皆さんも「カツオの一本釣り」にならないよう、
営業のステージを上げていきましょう。

次に「安定受注のためにどのぐらいの連鎖があると安心」か?
これはランク客の数という、より現実的なテーマです。


営業がプランも書く場合、商談中の案件が 3 つ重なると
仕事が次第に雑になります。

更に契約後も、材料打ち合わせやプラン修正などが入るため、
契約済みのお客さま以外に、2 名程度がいいところでしょう。

逆にプランを書かなくて良い場合、
また契約後はお客さまから離れて良い場合は、
3 つ——場合によっては 4 つ——重っても
全く問題ない方も出てくると思います。

 

ニュースレターの質を上げるのにテクニックは必要ない

それでは続いて「ニュースレターの質を上げる」についてです。

営業に安定受注をもたらすこと。


それは前述の記事のなかで、
競合を寄せ付けないために「コンテンツによる教育」が
必要と言いました。

それを前提に話を進めたとき、安定受注には
「コンテンツ(ニュースレター)の質を上げる」こと、

または少なくとも、コンテンツの質の堅持は必要と考えます。

ここで紹介したい note の記事があります。

それは、えとみほ(江藤美帆)さんが書いた
『本当に「儲かるブログ」とは』という記事です。

“私は最初に出てきた営業担当者から、最近自分としてはけっこうな金額の大きな買い物をした。もともと必要なものではあったが、どうせ買うならこの人から買いたいなと思ったからだ。

2回しか会っていないその人に対しそのように思ったのは、間違いなくその人のブログを読んでいたからだと思う。

その人のブログは、営業のためのブログでもなんでもなく、セルフブランディングもしておらず、飾り気がなく淡々としていた。もちろん顧客である私に向かって書かれたものでもない”

「人となりがわかるブログ」の価値|『本当に「儲かるブログ」とは』より抜粋)

記事は少し前に書かれたものですが、
この記事こそ、いま必要なブログ、
あるいはニュースレターに必要なタッチが
随所にあふれています。

そして人となりが伝わるブログこそ、
読者の心にささるのだとの主張も
非常に気持ちいいもの。

同じように感じられた方は、このコラムと
大体同じ方向を向いているのではないでしょうか。

またそうでなかった方も、たまに振り返って
この記事を読んでみると良いでしょう。

何度も読み返すことで、
ニュースレターの質を上げる、
また維持するのに、何もテクニックは必要ない。
必要なのは人となりが伝わる文章だけということが分かります。 ある意味、最も難しいことですが、
えとみほさんの文章を真似ることから
はじめてみてはいかがでしょう?

 

お客さまを選別することの大事さ

深掘りのポイントの最後に来ること。
それは断るお客さまをきちんと選別することです。

そしてこれは安定受注とも関係が深いテーマです。
なぜなら受注が不安定だと、
営業のほうから、お客さまを選別するアクションも少なくなります。

しかし営業にとって、断るお客が居て当然です。
自社に合わない見込み客を追って契約できても
それはかえってクレームを呼ぶからです。

そしてクレームに苦しむのは会社ばかりではありません。
担当した営業にも大なり小なり影響があります。
だからこそ自社に合わない見込み客を

無理に追ってはいけないのです。

なお営業が断る意味が腑に落ちない方は、

以前も紹介した
ジャック・ワース、ニコラス・E・ルーベン著、神田 昌典監修
『売り込まなくても売れる! ―― 説得いらずの高確率セールス』
(フォレスト出版 2002/11/9)を読んでみるといいでしょう。

安定受注についての深掘り記事でしたが、
分かりにくかった方、すみません。
どうかご容赦ください。

 

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

弊社では現在、新築住宅を手掛ける工務店・建設会社様を対象に、「売るためのロジックの再構築」に集中して取り組んでおります。

令和7年1月度以降、日本国内の主要都市で『営業力アップ』をテーマとするセミナーを順次開催し、住宅営業の工程毎の様々な売れるアイディアを提案しています。