営業職に特化した人事考課制度の指導機関

〒150-0044
東京都渋谷区円山町6-7 1F

TEL : 03-4405-8949

専門コラム 第183話 豊かな読書経験こそ営業生命を生き長らえる秘訣

   

前回記事に書いていることで、伝えたいことは大体網羅しています。

 

ただもっぱらの悪文のため、それが全ての人に伝わったとは考えていません。

 

そんなわけで、もう少し踏み込んだ視点で、営業が良書にめぐり逢うことの意味、また本を読むことがいかに大事かを、一緒に考えていきましょう。

  

  

豊かな読書経験こそ営業生命を生き長らえる秘訣

1 十分な読書体験だけが永続的なアウトプットを可能にする

    

はじめに断っておきますが、今回の記事の主張も前回同様、少しも変わってはいません。

 

つまり高いセミナーに行って文章力を上げるぐらいの気持ちがあるのなら、それをしなくても、良書に出会うことで十分カバーできるということです。

 

なぜなら、人はいまも昔も書物に書いてあることの真似をして、文章のニュアンスや構成を、見よう見まねで学んだ歴史あるからです。

やたらと高額なセミナーが日本に登場したのは、ここ 20 年足らずのことではないでしょうか。

 

ここで先週に引き続き、もう一度村上春樹氏に登場いただき、良書に出会うためのアドバイス——実は、本文は小説家になろうという人に向けてのアドバイスなのですが——をもらいましょう。

 

少し長くなりますが、小説を読まないと何も始まらないことの意味が、どの文からも伝わってきます。

 

それで僕は思うのですが、小説家になろうという人とって重要なのは、とりあえず本をたくさん読むことでしょう。実にありきたりな答えで申し訳ないのですが、これはやはり小説を書くための何より大事な、欠かせない訓練になると思います。小説を書くためには、小説というものがどういう成り立ちのものか、それを基本から体感として理解しなくてはなりません。「オムレツを作るためにはまず卵を割らなくてはならない」というのと同じくらい当たり前のことですね

職業としての小説家  村上春樹 第 4 回「さて、何を書けばいいのか?」|モンキー|vol.4|FALL / WINTER 2014 - 15|より抜粋

 

そして春樹氏は、さらにこうも続けます。

 

特に若い時期には、一冊でも多くの本を手に取る必要があります。優れた小説も、それほど優れていない小説も、あるいはろくでもない小説だって(ぜんぜん)かまいません、とにかくどしどし片端から読んでいくこと。少しでも多くの物語に身体を通過させておくこと。それがいちばん大事な作業になります。小説家にとっての、なくてはならない基礎体力になります。目が丈夫で、暇が有り余っているうちにそれをしっかりすませおく……

職業としての小説家  村上春樹 第 4 回「さて、何を書けばいいのか?」|モンキー|vol.4|FALL / WINTER 2014 - 15|より抜粋

 

こちらは、村上春樹氏長編エッセイ『職業としての小説家 』(スイッチパブリッシング 2015/9/10)の元になるコラムを、文芸誌『モンキー』から抜粋したものです。

彼のファンなら、これのハードカバーか、ないしは新潮社からの文庫で手にされている方もいるでしょう。

 

もちろん前後の文章も筆舌に尽くしがたい良文です。

 

機会があったら手に取られることをおすすめします。

 

それにしても、こちらの文章から「読書経験の重要性」が、ひしひしと伝わってきます。

 

そして、それは生半可な読書体験だと、「小説家として長く食べていけなくなる」と暗に語っている。そんな空恐ろしさすら感じます。

 

しかしそれは営業という仕事でも同じです。

 

詰まるところ僕らの仕事は、十分な読書体験だけが、より永続的なアウトプットを可能にします。

別の言い方だと、それは営業として「活躍できる期間」といってもいいでしょう。

  

  

2 とりあえず、職場でいちばんの読書家になる!

  

では十分な読書体験とは、どんなことをすればいいのでしょうか?

 

これに関する最良の答えを言いましょう。

 

それは支店や所属する工務店のなかで、いちばんの読書家になることです。

 

いちばんの読書家になると、あなたは支店や所属する工務店で、間違いなくトップセールスになれます。

 

どうして僕のようなダメダメ営業マンが営業職を続けられたのか。

 

それはいま考えてみると、読書量では誰にも負けないくらい本を読んでいたからです——このときお客さまに手紙は書いていましたが、まだニュースレターにも出会えていませんでした。

 

女優や声優としても大活躍の芦田愛菜さん。

 

彼女は無類の本の虫としても知られています。

 

おそらく知性豊かな彼女のことですから、営業マンをやらせれば、営業としても頭角を表すのではと考えています。

 

しかし誰も彼女が、営業向きな性格とは考えないでしょう。

 

これだけ本を読むことが大事と言われても、スマホの登場でますます読書から遠ざかっています。

そんな時代ですからちょっとやる気になれば、職場でいちばんの読書家になることは、案外とても簡単なことだったりします。

 

そしていちばんの読書家になれば、営業成績も自然と上昇します。

 

そして筆者の過去が正しければ、トップ営業になることは時間の問題です。

 

仮にトップになれないとしても、上位には食い込めるでしょう。

 

そうすれば、少なくとも成績で営業職を辞する心配からも解放されます。

 

もしよかったら、トライしてみてください。

 

注意点をひとつだけ。

 

それは、ノウハウやフレームワークを集めるための読書なら、やめたほうがいいということ。

 

読書の基本原則。

 

それは文脈(コンテクスト)を読むことだからです。

 

これについては、また時間を割いてお伝えします。

  

  

3 夢を現実に変える瞬間

 

なお、どちらも読みやすい文章にはあまり貢献しませんが、おすすめの良書 2 冊をあげておきます。

 

それはジェームズ・アレンの『「原因」と「結果」の法則』とオグ・マンディーノの『世界最強の商人』です。どちらも有名な本ですし、両方とも Kindle で入手可能です。

 

特にあなたが営業マンだったら、後者は鞄に入れて、おりに触れて楽しめることでしょう。

 

最後にジャズ界の巨人、テナーサックスのソニー・ロリンズの逸話を。

 

彼がまだ若手の頃、ギグの合間を縫って、レコードショップに赴くと、シンガーのフランク・シナトラをリクエストしたそうです。

 

ソニーはシナトラの大ファンで、自分のレパートリーにもシナトラの愛唱曲を多く取り入れていました。

彼の歌のように演奏したいとイメージしていたようです。

 

そしてシナトラ特有のホーンライクで簡潔なフレージングを、密かに模倣していたようです。

 

もちろん、ジャスマンや作家だけが、音楽や文章をコピーやしていたわけではありません。

 

俳優やスポーツ選手も、手本となる役者やプレイヤーを真似することで、やがて夢を現実に変えています。

 

そして営業もそれにならってみないかというのが、このコラムからの提案です。

  

 

 

  

  

 

 

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。