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専門コラム 第145話 住宅ビジネスの真骨頂はリストビジネスにあり!

 

トレンドワードではありませんが、最近、気になる言葉に「リピート」、あるいは「リピート構造」というものがあります。

そしてこのワードがメールマガジンなどで、割と頻繁に目に付きます。

 

メルマガやニュースレターが、スモールビジネス向けのものが多いということもありますが、新型コロナの影響で、飲食を扱うお店などが苦境に立たされている現状を反映しているのかも知れません。

 

業界を問わずとも、私たちが取り組む小規模ビジネスで「リピート構造」とは、事業を動かす上で非常に大事な概念です。

なぜなら商店やクリニック、医院といった個人経営の店舗は、顧客のリピート構造がしっかりしていなければ、コロナのような社会的影響で簡単に潰れてしまうからです。

 

苦しいとは言え、住宅や不動産業界は銀行の長引く低金利も手伝い、他業界よりはまだ安定しているほうです。

しかしローン金利が明らかに上昇に転じた時、そのような呑気なことは言っていられなくなるでしょう。

  

  

住宅ビジネスの真骨頂はリストビジネスにあり!

そもそもリピート構造とは何?

  

いきなりリピート構造という専門用語(?)を使いましたが、あらためて言葉の意味を噛み砕くと、繰り返しお客様が来店し、商品をリピート購入してくれる仕組みです。

 

皆さんにはサブスクリプション[1]の方が理解しやすいかも知れませんが、これも商品やサービスのリピート購入の仕組みです。

 

またちょっと古くなりますが、サザエさんの家に注文を取りに来る三河屋の御用聞きの三郎さんも、昭和の頃のリピート構造を反映しています。

考えてみれば、リピート構造は最近出来たビジネスモデルなどではなく、少なくとも日本では、古くから根付いた商習慣のひとつと言えましょう。

 

御用聞きからサブスクリプションに至るまで、なぜこのような習慣が根づいたのかというと、売り手にとってリピート構造は、将来の売り上げを容易に読めたからです。

 

商売では、この「売り上げを読む」ことが、非常に重要になります。

 

なぜ重要か?

 

それは、売り上げが読めないビジネスは、博打などとそう変わらないからです。

 

またリピートの仕組みには、お客はお店のお得意さんになることが必要不可欠です。

 

これを今流にいうと「顧客のファン化」です。

 

古くは三河屋の三郎さんよろしくお宅に足繁く通うことこそ、一般顧客をファン化に導くための基本です。

 


 

[1] サブスクリプション・・・購入ごとに該当商品の金額を支払うのではなく、一定期間の利用権として定期的に料金を支払う方式、またそのビジネスモデルのひとつ。

  

  

住宅ビジネスにもリピート構造は必要

 

ただ住宅のように商品単価が高額で、一生のうちそう何度も買わないものを扱うビジネスでは、上記のようなリピートに頼る必要はなくなりそうです。

例えば新鮮な新規客を追ったほうが、セールスマンも効率よく営業できるという考え方です。

 

しかしこの考え方も、今では——厳密には20数年前から——通用しません。

 

データを示さずとも、家を建てる人の数が年々減少の一途を辿っていることは業界の常識です。

 

逆に今も展示場で新規客ばかりを追っている営業マンがいたら、余程の好条件でモデルハウスを運営しているか、営業のやり方を知らないかのどちらかです。

 

もちろん新規を定期的に補充しなければ、リピート構造自体が機能不全に陥ってしまいます。

そのため新規を追うこと自体は間違いではありません。

ただ少なくとも、モデルハウスに張り付くだけが、営業の仕事ではありません。

 

その意味では住宅ビジネスも他の業種と同じく、計画的なリピート構造を持つべきでしょう。

 

どんなリピート構造にすべきなのかは意見が分かれるところですが、最近聞かれなくなった言葉に「リストビジネス」「リストマーケティング」というものがあります。

 

なぜ住宅に「リストビジネス」「リストマーケティング」がフィットするかと言えば、自分の顧客リストを持たない住宅営業マンをほとんど見ないからです。

 

また江戸時代の商人は、当時江戸で火災が頻発していたことから、現金より大切にしたのが自店の顧客リストでした。

というのも、顧客リストさえあれば商売が再開でき、望む資金も比較的容易に集められるからです。

 

これとは逆に、火事で顧客リストを焼失することになれば、またゼロから商売を始めなければいけません。

またそんな大事な商売道具を失っては、お店の信用も無くしてしまうでしょう。

  

   

「生きたリスト」があればいつでも営業を再開できる!

  

このことは営業も同じです。

 

文字どおり「生きたリスト」があれば、いつでも営業を再開できます。

 

「生きたリスト」とは、見込み客の入れ替えが定期的に実施され、いわゆる「リンク切れのリスト」が極力ないこと。

またニュースレターの送付、アフターなどの定期訪問が確実に実施されており、一定の受注棟数がリストから読めることです。

 

顧客リストをいつでも新鮮な状態にしておくことは、結構な手間が掛かります。

 

したがって営業に100%を求めることは出来ません。

 

しかし上記の状態にブラッシュアップすることは、リストビジネスの基本です。

 

このところ新規ばかりを追って、自分の顧客リストが「死にリスト」「休眠客」で埋まっていたら、たまにはリストの更新に時間を割いてみることです。

 

そして営業なら、自分のリストから定期的にまともな受注を上げられること。

 

それにはやはり、ニュースレターの活用がカギになります。

 

リストビジネスについて新しいトピックが出てきたら、このカテゴリで記事の追加を考えています。

   

  

 

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。