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専門コラム 第222話 世界一の営業マンが私たちに教えてくれること

    

先回に続き、「本コラムの主張が“まんざら外れているわけではない”」シリーズの 2 回目に上げたのは、同じダイレクト出版のチャンネルから、『世界一の営業マンの秘密[1]』という動画です。

(なおダイレクト出版や、このシリーズについては前回の記事に書いています。詳しく知りたい方は前回のコラムを参考にされると良いでしょう)

そして今日取り上げる動画のキモは、記録的数字やギネス認定云々ということではありません。

世界一の営業マンが送り続けたとされるグリーティングカードです。


[1] [世界一の営業マンの秘密](https://www.youtube.com/watch?v=KGt1Z7bRK-A)

  

世界一の営業マンが私たちに教えてくれること

1 グリーティングカードがジョーをトップセールスに押し上げた!

 

彼の名前はジョー・ジラード。

彼の本はいろんなところから出ているので、皆さんの中にも、彼の話を聞いたことがある方もいるでしょう——実はこのコラムでも、過去に一度、彼のエピソードを紹介しています。

ジョー・ジラードが自動車販売の道に入ったのは1963年と言います。

それまでの彼は、不遇の日々を送っていました。

そして奥さんや子供たちも、食べる物にも困るような苦しい生活に追い込まれます。彼は意を決し、これまで経験のないセールスの世界に、30 代半ばで舵を切ります——彼も、喜んでこの世界に入ったわけではないでしょう。

そしてジョーは結果的に、1963 年から 1978 年の 15 年間で、シボレーの13,001 台の車を販売し、「世界No.1 のセールスマン」に輝きます。その記録は現在も破られていません。

その不遇の日々から「世界No.1 のセールスマン」に押し上げた要因がどこにあったかというと、毎月グリーティングカードを顧客に出していたからということがあります。

普通なら、このような大逆転劇の裏に、もっとセンセーショナルなエピソードを用意したほうが絵になりそうです。案の定、この動画の試聴者のコメントからも、あまり響いていないことが伝わってきます。

しかしジョーとその他大勢の営業マンとの違いはどこにあったかというと、彼が毎月出したグリーティングカードのことにしか、筆者は目が行きません。なぜならセールスの数字は、得てして、地味な努力の積み重ねにほかならないからです。そのことは、イチローや大谷翔平の成功を見ても一目瞭然です。 またジョーが毎月出したグリーティングカードの効果は、本コラムが皆さんに推奨しているニュースレターとほぼ同じ効果を持ちます。その意味で、小川代表がこのシボレーのトップセールスマンを取り上げた意味に、深く同意します。

   

2 グリーティングカードはニュースレターと同じ役割を果たしている

そうです。ジョーが毎月出したと言われるグリーティングカードは、今もトップセールスマンの間で密かに使われているニュースレターとほぼ同じ役割、または効果があります。

グリーティングカードには販売誘導に関する文言はもちろん書きません。
そんなことを毎月書いてくるカードになど、顧客の心は動きません。というより、即刻ゴミ箱行きです。

それより、その後の愛車の乗り心地や、ご本人や家族の健康などを気遣うメッセージが綴られていたなら、グリーティングカードは大切な宝物となるでしょう。またクルマの買い替えの時期が来たら、ぜひ相談に乗ってもらおうという人も出てくるでしょう。

実にジョーの売り上げの 3 分の 2 は、彼のリピーターによって構成されていたといいます。
このことから、ジョーが出し続けたグリーティングカードが、彼のセールスに大きく貢献したことが伝わってきます。

またグリーティングカードもニュースレターも、顧客の記憶に確実に残るということ。
これは筆者が敬愛する小野博史氏の理論[2]、情報紙の「理解、信頼、記憶」にも通じます。

しかも当時の彼が出すグリーティングカードは、全て彼の手書きによるものです。顧客数を想像したら、相当手間が掛かっていたと想像します。 ただ、これだけ自動車が売れたのですから、カードを書いた手間も、十分なお釣りとして返って来たのではないでしょうか。彼のハートウォーミングなカードを、筆者もこの目で見たいものです。


[2] [ニュースレター 成功事例](http://www.drtool-1.com/honpen/)

   

3 営業レターは単なるフォローツールではない!

 

ただ、ここで一つ付け加えておきたいことは、グリーティングカードもニュースレターも、見込み客や既存客に向けた単なるフォローツールではないということです。

このことは過去のコラムにもまとめていますが、少なくともニュースレターは、いま検討先を考えているお客さまを射止めるにも、多大な力を発揮します。ですから筆者は、新しいお客さまに出会ったら、いま発行しているニュースレターを早い段階でお渡ししました。

またグリーティングカードはニュースレターに比べて情報の伝達量は少ないと、出すのを懸念される方もいると聞きます。ただそのぶん、書いてある情報が目に届きやすいという利点が、グリーティングカードにはあります。つまり「理解、信頼、記憶」という面では、グリーティングカードもニュースレターも、考えているほどの差はないというのが本当のところなのでしょう。

ただどちらの営業レターも、「いますぐ客」にも効く、セールスツールになり得ることをお忘れなく。

世の中には、天才営業を育てる組織(百科辞典等の訪問販売など)もあるようです。 しかし我々が長く取り組めて確実に結果が出せる営業法といえば、ダイレクトレスポンスマーケティングをベースとしたセールスになると筆者は考えます。

 

 

  

  

 

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。