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専門コラム 第71話 困っている人を力づける手助けをしたいあなたへ

  

ありがた迷惑な人の特徴

「悪女の深情け」という言葉があります。

容姿の劣っている女性ほど情が深いという意味ですが、同じ情を寄せられるのなら美人の方がいいという男の身勝手な論理で、普通は「ありがた迷惑」という意味で使われます。

 

ありがた迷惑な行為や人にはいくつかの特徴があります。

  • 余ったから、買いすぎたからなどと言って、何でもかんでも人にモノをあげる。
  • ・いかにも面倒見がいいように装って、いろいろなことを聞きたがる。
  • ・アドバイス好きで、あなたのためと言いながら自分の考えを押し付けようとする。
  • ・自分の言いたいことを言い募るのに、相手が迷惑そうにしているのに気づかない。

 

相談する気もなく、世間話のようなつもりで何気なくしゃべったことに食いついてくるというケースも多いでしょう。

悪気がないことが多いだけに、対応や扱いが難しくなります。

 

出過ぎた行いはお節介であり、一人よがりと同類であると分かるべきです。

でなければ、友達と思っていた人がいつの間にか去っていくという事態を招きかねないでしょう。

 

ユニセフが難民の子どもたちのために訴えていること

テレビで最近、ユニセフ(国連児童基金)のCMをよく見かけます。

食料や医薬品が不足して先進国では考えられないような状態で死んでいく難民の子どもたちの姿を紹介し、善意の寄金を募る内容です。

そうした映像を見ると、できる範囲で何かしてあげたいと思う人は多いでしょう。

 

こうした無条件の善意、言い換えれば「愛」にあふれた行為とありがた迷惑はどこが違うのか。

それは、相手が本当にその行為を求めているかどうか、加えて、本心から相手のことを思った手助けであるかどうかではないでしょうか。

 

古代ローマ帝国の5賢帝の1人で哲学好きだったマルクス・アウレリウスは、彼の哲学的思想をまとめた「自省録」で次のように言っています。

見せかけの微笑を見せたり心に仮面をかぶったりしない、真心のこもった裸のままの親切には、人は決して抵抗できないものだ。

もしこちらがあくまで親切を続ければ、たとえ良心のひとかけらもない人間でも、必ず受け入れてくれるだろう。

 

「かわいさ余って憎さ百倍」にならないために

困っている人を助けるのは尊い行いです。

多少の打算があったとしても、相手の気持ちに寄り添ったものなら、非難されることではありません。

 

ただし、気を付けなければいけないことがあります。

何であれ、伝え方や行い方次第で、その事柄の価値そのものが大きく変わってくる。

これは人の世話をする場合によく当てはまる。

とげとげしい気持ちでいやいやながら世話をすれば、親切な行いも固くなったパンみたいなものになる。

 

これは古代ローマ帝国の政治家・哲学者で、弁論術にも長けていたセネカの言葉です。

つまり、同じことをするにしても、言葉遣いや態度一つで相手に伝わるべきものも伝わらなくなるということでしょう。

 

もう一つの注意点は、上から目線になってはいけないということです。

「してあげる」という言葉や態度では押し付けになって、相手が素直に受け入れにくくなります。

 

そして、こうした恩着せがましさは、相手が受け入れてくれないとなると、「これだけしてあげているのに」という思いから、逆に相手を突き放すことにつながる恐れもあるでしょう。

「かわいさ余って憎さ百倍」です。

 

こう考えてくると、人の心には常に「善」と「悪」があり、気持ちも行動もその間で揺れ動くのかなという気がします。

角度を変えてみると、「善」が「悪」に見えたり、「悪」が「善」に見えたりするということかもしれません。

 

ただ、善と悪については、アメリカの文豪、ヘミングウエーが端的に言い表しています。

善とは何か。後味の良いことだ。

悪とは何か。後味の悪いことだ。

 

人に対して一つのことを行った後、自分の中に何が残っているかを見つめるのは、確かに自分にとっても有益なことかもしれません。

 

「ビジネスに必要なのは人助けだ!」の真意

では、ビジネスにおいて人助けはどんな意味を持つのか。

そう思っていると、面白いブログを見つけました。

 

カナダにあるデザイン会社の経営者によるもので、「人脈づくりなんかやめてしまえ。ビジネスに必要なのは人助けだ」と主張するのです。

一つの実例を挙げています。

 

若いデザイナーが、さまざまなイベント会場などに行っては名刺を配って自己アピールし、後日、「仕事が必要だったら声をかけてください」とリマインドメールを送るなどして人脈作りに励んでいるのに、全く声がかからないと、アドバイスを求めてきました。

 

そこで彼が言うのが「人脈づくりなんかやめろ!」なのです。

なぜなら、若いデザイナーの「人脈づくり」たるもの、自己中心的であり、相手にとっては何の益も生み出さないからです。

 

彼は、考えの主体を「自分」から「相手」に移さないといけないと指摘します。

「相手」から名刺を受け取り、「相手」に自己紹介させ、「相手」の業務内容を尋ね、後日送るメールには、相手の仕事に役立ちそうな情報やデータを添付する。

 

そうすれば、相手の中に自分という存在が印象付けられ、何か必要があったときにあなたのことを思い出し、それが仕事につながるだろうというのです。

 

人脈がビジネスチャンスにつながるのは否定できないと思います。

しかし、自分は大切な人脈だと思っていても、相手があなたに価値を見出さなければ、人脈でもなんでもありません。

 

通常の営業活動なら、人脈とは潜在顧客でしょう。

これを見込み顧客、さらには顕在顧客に引き上げていくために、さまざまなアプローチを考えるはずです。

その際に大切なのが、ここまで述べてきたように、本当に相手の利益になることを提案することでしょう。

 

ビジネスコミュニケーションのスキルに関する著書「人を動かす」で知られるアメリカの作家、デール・カーネギーはこう言っています。

人と会うたびに何か親切をしてあげることだ。

1日が終わったら、自分の親切が何をもたらしたか、よくかみしめてみよう。

これだけは確かである。

親切は相手が好きだというしるしであり、親切を受ければ、相手もある程度までこちらを好きになる。

 

ビジネスは人間関係です。

好きになってくれれば成績アップに向けた大きな前進です。

そのためにも、積極的にお客様の相談に乗り、お客様に満足感を与えるとともに、自分自身も達成感を得たいと思いませんか。