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専門コラム 第51話 正しいセールスで連戦連勝のサイクルをつくりあげる。

白鵬やアストロズは批判され、ネズミ小僧が喝さいを浴びる理由

無観客で行われた大相撲春場所で44回目の優勝を飾った横綱白鵬。

大鵬の32回をはるかに超える優勝回数や通算勝利数など、その実績は歴代の大横綱、名横綱と言われた先達を凌駕します。

ところが、その言動はしばしば物議を呼び、横綱審議会からも幾度か注意を受けてきました。

 

たとえば、取り組みでよく見せる張り手・張り差しやかちあげ。

これらは相撲の技の一つですから、もちろんルール違反ではありません。

大鵬もかちあげをよく見せていました。

しかし、白鵬のそれは暴力的で、ひじ打ちをくらった豪栄道が眼下底内壁骨折のけがを負ったほどです。

 

白鵬を取材したことのある新聞記者は、素顔の白鵬は勉強家なうえ非常に真摯な考え方の持ち主で、あのような行為とイメージが結びつかないと首をかしげていました。

しかし、相撲は国技であって日本の精神性を代表するものと思われているだけに、多くの日本人にとっては眉をひそめる行為であることは間違いないようです。

 

米大リーグにおいても昨年、選手もファンも眉をひそめる行為が発覚しました。

ヒューストン・アストロズによるサイン盗みです。

 

アストロズがワールド・シリーズを初制覇した2017年から18年にかけて、球団ぐるみでサイン盗みを行ったと大リーグ機構が認定。

500万ドルの制裁金とドラフト1巡目、2巡目の指名権はく奪、ゼネラル・マネージャーと監督が1年間の資格停止を科されるという厳しい処分を受け、大スキャンダルになっているのです。

 

白鵬もアストロズも勝負の世界に生きていますから、当然、勝つための努力は必要ですし求められます。

ただ、2つの例で共通しているのは、勝つためとはいえやってはいけないことがあるという、自制を求める人の気持ちです。

モラルや道徳に通じるもので、手段を選ばずという行為に、人は嫌悪感を抱いてしまうものなのです。

 

逆の例でいえば、歌舞伎や小説、映画で義賊に祭り上げられたネズミ小僧治郎吉がいます。

大名屋敷ばかりを狙い、奪った金を貧しい人に分け与えたという美談の主に仕立てられたおかげで人気を博しました。

 

ネズミ小僧の場合は、窃盗という手段こそ違法なものですが、自分の利だけを考えなかったという1点に自制の心が感じ取られたため、人気につながったのでしょう。

 

品の悪さは評判の悪さにつながる

では、ビジネスではどのように考えたらいいのでしょうか。

 

金儲けを品の悪いことのように考えるのは根本的に間違っている。

しかし、儲けることに熱中しすぎると、品が悪くなるのも確かである。

金儲けにも品位を忘れぬようにしたい。

 

こう言ったのは「論語と算盤」で知られる明治の実業家、渋沢栄一です。

品位とは礼儀や節度、気高さに富み、人々の尊敬を集める人柄、価値観のことです。

礼儀で言えば、「親しき中にも礼儀あり」という言葉がありますし、節度には行き過ぎを戒める意味があります。

まさに、儲けるためなら何をしてもいいという考えを、渋沢栄一は戒めているのです。

 

ビジネスは利益を求めるものです。

特に営業マンなどは、営業活動の結果が即、自分の評価につながりますし、会社の利益にもなります。

ですから、何をやっても成績を挙げた者が勝ちという風潮が広まりやすいと言えるでしょう。

 

しかし、バブル期の拝金主義や、その後の新自由主義経済下における金持ちが人生の勝者といった捉え方を苦々しく思っている人は多くいます。

一時的に成功者としての快楽を得られても、やがては失敗や虚しさを招くのではないでしょうか。

 

渋沢栄一はこうも言っています。

真の富とは道徳に基づくものでなければ決して永くは続かない。

 

ビッグコミックに連載されている「正直不動産」という漫画があります。

自分の営業に役立つこと以外、客に見せも教えもせず、嘘も辞さない口八丁手八丁でエースにのし上がったものの、ふとした拍子に嘘が付けなくなってしまった営業マンが主人公です。

 

「千三つ」と言われる不動産業界で、嘘が付けない、あるいは営業活動に支障が出ようと客に不利なことをつい教えてしまうとなれば、とても一線でやってはいけないでしょう。

この主人公も正直営業で成績が急降下し、苦労をします。

しかし、その正直営業のおかげで喜び、感謝する客の姿に、主人公は納得と満足感を得、社内でも客の間でも次第に信用を高めていくのです。

 

この漫画が人気なのは、不動産業界の知られざる裏の世界の本音が垣間見られることとともに、人々の道徳観や倫理観、正義感に強く訴えるものがあるからでしょう。

 

「正直不動産」が教える信用の大切さ

事業における信用の大切さは、渋沢栄一も繰り返し語っています。

 

信用は、それが大きければ大きいほど大いなる資本を活用することができる。

世に立ち、大いに活動せんとする人は、資本をつくるよりも、まず信用の厚い人たるべく心がけなくてはならない。

 

事業には信用が第一である。

世間の信用を得るには、世間を信用することだ。

個人も同じである。

自分が相手を疑いながら自分を信用せよとは、虫のいい話だ。

  

正直不動産の主人公ではありませんが、すべての言動は見る人には見られています。

信用を得るには時間がかかり、嘘が信用を生むことはありません。

それどころか、たった一つの嘘が、積み重ねてきた信用を台無しにすることもよくある話です。

「悪事千里を走る」です。

 

その一方で、お客様のことを第一に考え、お客様にとっての最善と自社にとってのメリットをうまく調和させる営業活動を行えば、その評判は一気に千里を駆けなくても、じわじわと広がっていくものです。

 

営業活動の流れの中で最終的に求められるのは紹介獲得でしょう。

お客様が新たなお客様を呼んで来てくれるようになれば、これほど効率的で喜ばしいことはありません。

そのために必要なのは、お客様に喜びと感動を得てもらうために仕事をするのだという、揺るぎない信念ではないでしょうか。

 

もう一つ、渋沢栄一の言葉を紹介しておきましょう。

信用はのれんや見た目から得られるものではなく、確固たる信念から生まれる。

 

あなたは、お客様を第一に考えた正しいセールスで信用と信頼を勝ち取り、連戦連勝のサイクルをつくりあげたくありませんか。

   

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