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専門コラム 第282話 地場工務店でも大手メーカーに勝つ方法

    

前の投稿は、ほんの息抜きのつもりで書いたつもりが、意外とてんこ盛りの長文コラムとなってしまいました。

またてんこ盛りとなったことで——「基本練習」の大切さについて書いたつもりが——論旨も何だか曖昧になってしまったと反省しています。

そこで、ということではありませんが、
1.「同行訪問」
2.「文章を書く力」
これらをワンコラムずつ分けて,、補足記事(アンサー記事)を書いてみたいと思います。

今回は同行訪問です。 同行訪問は、営業によって、やりにくい環境の方も多いと思います。
今回はどちらかと言うと、やりにくい環境の方へ寄り添い、文をまとめております。

  

地場工務店でも大手メーカーに勝つ方法

1 同行訪問は先輩らの手柄を讃えるためにある?

 

前の投稿では、営業にとって同行訪問はとても大切な「基本練習」だと書きました。

そして同行について、地場工務店は大手メーカーと比較すると、どうしても人材の面で不利な点があると書きました。

実際のところそうだと思っています。
なぜなら、筆者は両方とも経験しているからです。

ある地場工務店に勤務した際、ある営業に、まだ同行するだけの力の備わっていない営業が帯同するよう上司が指示しました。その結果、せっかくの好機を逸したケースを間近で見ています。

筆者はそういう例を、痛いほど見てきました。

そのいっぽうで、営業を指導できる適切な人材を育てたところで、同行訪問は、お客さまとの関係性がある程度出来上がってなければ意味がありません。

というのも、本来同行訪問はプラン打ち合わせを前提としたものですし、「お客とアポが取れるようになってから」——つまりお客さまとの関係性が構築できた段階で、先輩にお願いすることが本筋だからです。
この意味が分かるでしょうか? 

仮に、プラン打ち合わせまで何とか営業が持って来れても、お客さま・営業双方の信頼感が育っていなければ、成約する確率はフィフティ・フィフティです。
こういう案件に先輩方はあまり付きたくないでしょう。
せっかく同行しても、営業、お客さまの間に信頼感が育っていなければ、ダメになるリスクが高いからです。

なぜ筆者の折衝は、上司が頻繁に同行してくれたのでしょう。
それは筆者の折衝は、お客さまとの信頼関係がある程度できていたからです——もちろん筆者も、営業一年目は惨憺たるものでしたが……。 そういうふうに考えると(また穿った見方をすると)、「基本練習」と言われる同行訪問は、先輩らの手柄を讃えるためにあるものと言えなくもありません。

    

2 地場工務店でも大手メーカーに勝つ方法とは

 

どうしてそのような(ひどい!)口がきけるのでしょう。

それは、営業の本当の難しさは、お客さまとの信頼構築にあるからです。
村上むねつぐ氏の言葉どおり、ビジネスで最も難しいこと、それは「お客さまから信頼してもらうこと」でした。

それなのに同行訪問には、具体的に信頼を獲得するメニューはありません。これは筆者が、前々から不思議に思っていたことです。

その意味では、所詮同行訪問は、大手メーカーによって出来た「基本練習」と言えなくもありません。ただ、それを口にしてしまっては些か乱暴すぎます。だから、あくまで基本の一つと捉えて練習することです。

特に展示場案内をストーリーを立て、案内できる営業・できない営業では、「展示場アポ取得」という面で大きく変わってきます。

また人員が少なく、満足に同行訪問が付けられない環境でも、諦めることはありません。そういう方のために「知識の営業」があります。

ふくろう不動産の中川氏、あるいは地域の燃料屋の小野氏も、おそらく同行訪問はしていなかったと思います。また同行も付けられてなかったでしょう。
でも商品を語らせたら、並の営業では歯が立ちません。彼らは皆、営業である前に自分のジャンルの「専門家」なのです。

   

3 「知識の営業」の素晴らしさ!

 

あらためて言いましょう。
同行訪問において不利な地場工務店でも、大手メーカーに勝つ方法が一つあるとすれば、徹底して「知識の営業」をすすめることです。

「知識の営業」とは、薄っぺらな営業トークから離れ、専門書籍や現場から学んだ知識をもとに営業に活用する方法。これを本コラムでは「知識の営業」といいます。

本来住宅営業は守備範囲も広く、もともと「知識の営業」とは相性も良く、これを進めやすい分野です。

「知識の営業」の良いところ。
それは仕入れた専門知識が深くなれば深くなるほど、自然とこれを人に語りたくなることです。

でも筆者は、あえて語りたくなる気持ちをなるべく抑えるように言っています。

それは、人は知らない誰かから、説得されることを嫌うからです。
そしてはじめは上手に質問を行い、相手に気づかせるように持っていきます。
これが上手なのは、既に本コラムに何度と無く登場している『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』の中に出てくる眼鏡販売員、キルデア・エスコートとナンシー・フェルプスの両名——そして作者曰く「この二人は、筋金入りのギバー(giver)」です。

それでも語りたくなったら、そのときは「知らない誰か」から「信頼できる専門家」になってからがベターです。

なお「知識の営業」をもっと知りたいと言う方は、

専門コラム 第273話
本コラムが考える理想の営業像
2023.04.29

専門コラム 第269話
あらためて問いたい!「知識の営業」を目指す大切さ
2023.04.24

を参考にしてみると良いでしょう。

皆さまの健闘を陰ながら応援しております!

  

  

  

   

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。