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専門コラム 第208話 住宅そのものが最良のマーケティングツール

    

今日取り扱うこともごく基本的であるけれど、忘れてはいけないテーマです。

それは商品やサービスそのものが良くなければ、どんな強力なマーケティングを考えても売り上げには繋がらないということ——強力なマーケティングとは、例えばニュースレター戦略もそのひとつです。

このことも過去のコラムで何度か扱っています。

ただ、とても重要なテーマですから、本年の後半であらためて見直しておきましょう。

  

住宅そのものが最良のマーケティングツール

1 食べ物で失敗したら二度とお客は来なくなる

 

なぜこのテーマを取り上げたかというと、購読中のあるメルマガでも、ちょうど同じ内容を扱っていたから。

そのメルマガで同テーマを取り上げたのは、何も今回だけではありません。

書いている御本人がマーケティングの世界に長く君臨している方です。
繰り返し書いているということは、テーマの重要性をそれだけ物語っています。

ちなみにそのメルマガでは、ラーメン店を例に解説していました。

近所の便利なところにラーメン屋さんが出来ました。
そしてご多分に漏れず、何人かの友人と連れ立って食べに行きました。
ただ残念なことに行った感想は、そのラーメンは口に合わないモノとのこと。平たく言うと、ちっとも美味しくなかったようです。

その後どうでしょう。
そのラーメン屋さんから、クーポンが送られても、果またバースデー割引のハガキが届いたとしても、挙句の果てに何度もチラシが折り込まれてきても……果たして、そのラーメン屋さんに行くでしょうか?

おそらく初回のクーポンは多少効果があっても、味が初めて食べたときと変わらなければ、その店に二度と出向くことはないでしょう。

特にラーメンのような食べ物って、超リピート商品です。

地方の、よほどの田舎でなければ、不味いというレッテルが一度貼られてしまうと、その店の運命はおおよそ決まっています。

まあ、今どきこんなラーメン屋さんもめずらしいことですが、
このことは、ほかのあらゆる商品にも当てはまります。
もちろん住宅についても然りです。

いまや建売住宅ですら、それなりの仕様が標準装備してあるご時世です。
それなのに、未だ 20 年前の断熱仕様を引き継いでいたとしたら、その会社はかなり危ないレベルと見られるでしょう。

通常住宅会社は、年に一度、自社の仕様を見直すものです。しかし小さな会社では代表ご本人が、そういうことを面倒がる方もいます。

もちろんこのコラムの読者に、そのような方はいないと思います。
しかし仮にそのような社長が知り合いにいたら、会社の住宅部門は先のラーメン屋と同じ運命にあることを心配しなくてはなりません。

また余計なお世話かもしれませんが、そういう会社では力のある営業マンもやがて離れてしまうでしょう。

なお意見として参考になるのが、「クオホーム本田さんに聞いた。絶対オススメな家の仕様ベスト3」という動画です(姫路のクオホームや本田さんについては、過去にも記事にさせていただきました。興味がある方はググって下さい)。

彼曰く、絶対オススメな家の仕様ベスト 3 に挙げたのは、
3 位:床の材料
2 位:造作ソファ
1 位:外壁材
でした。

クオホームの家は、これまで温熱環境に強いといった印象があります。
ただ「造作ソファ」が 2 位に来る辺り、実際には意匠の面でも突っ込んだ打ち合わせをされているのだと伝わってきます。 彼の例を見ても分かりますが、好調な会社ほど、自社の仕様をベストなものにしたいと考えているものなのです。

   

2 設計概念も立派な商品特徴

  

またクオホームさんの例ではありませんが、
住宅会社にとって設計やプランニング力も商品(つまり家そのもの)を特徴づける重要なファクターです。

そして設計プランニング力が競合他社に対し一歩抜きん出ている会社は、そのことだけで集客力が変わってきます。このことは見学会などを経験している皆さんが、誰よりも知っていることでしょう。
(またこのコラムでも、過去に「尖った工務店」というワードを用いた記事を、何本か上げています)

本田さんも「本気でオススメするやっておくべき家づくりのオススメランキング3」という別の動画で、「家の性能は HEAT20 のG2グレードがもはや断熱仕様推奨水準」と言っています。

つまり家づくりに関して、高性能であることは当然。
それより設計やプランニング力こそ重要ということを言いたいようです。
(たしか以前「尖った工務店」が作る家に、「高性能」という要素も含んでいたと記憶しています)

あなたの商圏にもあるはず。

既成の建材はほとんど使わず、どの現場も庭等の外構や植栽工事も綺麗に仕上げて引き渡しをする工務店、また設計事務所の存在を……

そういうビルダーさんは、外構工事も含めて引き渡しをしますから、どうしても坪単価は高くなります。ただそういうところは建築希望者が集中し、数ヶ月待ちが当たり前です。

住宅そのものが、お客さまを引き寄せている訳です。

むかしなら名の知れた設計事務所が独占していた市場です。
しかしいまでは、一部の先鋭的な工務店がこれに加わってきています。

クオホームや、以前紹介した鹿児島のベガハウスなどもそのひとつと言えましょう。

二年越しのコロナ禍で、工務店の二極化はもうそこまで進んでいます。

   

3 大事なのは自社のコンセプト作り

 

話しを戻しましょう。

ただ何も、クオホームやベガハウスが、これからの工務店が目指すスタイルなどと言ってはいません。
それより誰が見ても「我が社」と分かる——また誰でも言葉にできる——自社のコンセプトをまず作りましょうと言っています。

そして自社商品である「家」、会社の「サービス」が揃うから、はじめてマーケティングが機能します。この順番を違えると、どんなに立派なニュースレターやチラシを用意しても、見込み客の獲得は机上の空論となります。

お客さまが求めているのは、マーケティングの施策ではありません。
家やリフォーム工事そのものです。

言い方を変えるなら、商品こそまずはじめに手掛けるマーケティングツールなのです。特に経営に携わっている方は、この順番を間違ってはいけません。

家の仕様を数年寝かしたままなら、思い立った今こそ真剣に自社商品を見直す良い機会です。

社長によっては少し重たい話かもしれません。
でも前向きなモデルチェンジには、社員も喜ぶことでしょう。
そして、今年の夏も、頑張って乗り切りましょう!

 

 

  

  

 

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。