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専門コラム 第75話 第一印象が合わない顧客を無理に追い掛けてはいけない!

 

駆け出しの住宅営業マンにとって、口開けの 1 棟はもちろん大事なのですが、それと同じぐらい「知識の習得」が大事ということを、最近の記事(本コラム第71話)でお伝えしました。

 

今週も駆け出し営業マンの方にぜひ理解し、身に付けてほしい事を記事にします。

それは、顧客に「ノー」と言える、あるいはきちんと「断れる」態度です。

 

営業活動は、決して「お客様は神様です」ではありません。

むしろ最近では「お客様は鬼」にも豹変してしまいます。

無論それを誘発するのは、何でもかんでもお客様のいうことの言いなりになってしまう「営業の甘さ」にも問題があります。

 

営業が顧客に嫌われるのは、まず偉そうな雰囲気でしょう。

これはどんな時も、お客様に見せてはいけません。

しかしこれと同時に営業が忘れていけないことは、相手にいつでも「ノー」と言える勇気です。

第一印象が合わない顧客を無理に追い掛けてはいけない!

このテーマを選んだ理由とは?

 

実はこのテーマ、本コラムですでに言及しています(本コラム第30話)。

しかしながら日本では、営業がお客様を選んではいけないという風潮が、未だに強く残っているのも事実。

 

ただ先日もマーケティングを教えるあるコンサルタントが、ダン・ケネディや神田昌典氏らの書籍と共に、石原明氏の「イヤな客には売るな!」を、5 冊のおすすめ図書として偶然あげていました。

 

石原明氏の書籍は、これ以外の「成功曲線を描こう」や大ヒットした「営業は断ることを覚えなさい」は読んでいましたが、「イヤな客には売るな!」は読んでいませんでした。

 

本の内容は石原さん流の顧客理論を展開する内容ということは、大体タイトルから想像がつきます。

と同時に「合わない顧客を無理に追ってはダメ」という考え方は、マーケッターの間でもほぼ常識として通っているものだと再認識できました。

 

新人の方に伝えるべきテーマを「合わない顧客を無理に追ってはダメ」に決めたのは、これを「営業マンの常識」と考えて、ちょうどいい頃だと思えたからです。

 

あなたの顧客を「ビジネスの相手」と考えれば理解しやすい!

 

前置きが長くなりましたが、あらためて、全営業は「合わない顧客を無理に追っては」いけません。

 

判断の基準について新人はとくに迷うところですが、例をあげるとすると、先輩営業が進んで営業同行するお客様は、概してあなたや会社にとって優良な顧客と考えられます。

 

それとは逆に、先輩がつきたがらない顧客は注意するべきです。

というのも売れる営業が付く顧客は、先輩にとっても(また会社とっても)優良客であることが多いからです。

 

つまり普段から先輩も高い確率で受注でき、クレームも起こらない顧客をビジネスの相手に選んでいるということ。

顧客を「ビジネスの相手」と置き換えれば、話は腑に落ちるのではないでしょうか。

 

ところが新人は、受注確率の低い顧客、クレームを呼びやすい顧客を良い顧客と判断してしまいます。

だから新人は、兎角迷走しがちなのです。

ここを注意するだけで、受注成績がグーンと変わります。

 

なお余談ですが、とくに新人のうちは先輩に進んで同行をお願いするべきです。

そのほうが営業としての成長が数倍早くなりますし、顧客を見る目が養われるからです。

 

深追いしたらダメなのは次の 4 つ

 

ただ問題は、営業同行についてくれる先輩営業がいない環境の場合です。

 

この場合、以下のことを参考にしてみれば良いでしょう。

1)予算の感覚が合わない方

資金計画を組んでみて、予算が厳しそうな方は深追いするべきではありません。また自社の住宅が反対に安すぎる場合も、これに該当します。

 

2)自社で提供する住宅が、顧客が望むものとは違う

お客様が求めている住宅像が自社で提供する住宅と異なる場合も、打ち合わせを辞退するべきです。お客様が勘違いしている場合は、内容を説明して確かめてみましょう。

 

3)打ち合わせに参加する人数が明らかに少ない

住宅の打ち合わせに主要な家族が参加しない場合は、意中の会社が他に決まっている可能性があります。この場合も早めに見切りをつけるべきでしょう。仮に契約できたとしても、契約してからの打ち合わせでかなり苦労します。本コラム第30話である営業マンの例を挙げています。類似のケースとして一度ご参照ください。

 

4)直感的に合わない顧客

以上の3つでとくに問題が見られない場合でも、営業の直感で深追いするべきでないと判断できた場合は、できれば断るべきです。この場合は社内の他の営業に振っても良いでしょう。営業出身の上司なら、こうした申し出を受け入れてくれるはずです。

 

これら4つはいずれも深追い禁物な客層です。

住宅建築は金額が大きくなりますので、顧客とのやり取り、約束事には注意しなければいけません。

住宅営業マンには、とくに注意してほしいと思います。

最初は難しいかもしれませんが、地道に経験や勉強を重ね、契約を取れる営業マンを目指しましょう!