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専門コラム 第20話 飛び込みのコツ❷

                                   

飛び込みのコツ❷

先回の記事で、飛び込み営業とは、無心で元気よく担当地域を回るだけで、住宅を建てる計画がある人と必ず出会えると書きました。

 

そして優良な見込み客と出会ったら、大切なのは次回の訪問で何をするかです。

 

実は住宅営業の飛び込みで大変なのは、飛び込み訪問そのものではなく、再訪の過程です。

そして再訪が難しいことは、展示場や見学会で得た見込み客にも当てはまります。

 

展示場の再訪については別の機会をみてまとめるとして、ここでは飛び込みに特化した再訪の過程を取り上げてみます。

 

すべてではありませんが、何か参考になるところがあれば幸いです。

 

飛び込み営業は再訪の過程こそ重要

見込み客の進展は土地が決まっているかどうかで随分変わってくる

まず優良な見込み客が出てきたらまずすることは、あなたを担当している教育係の先輩営業への報告です。

 

そしてセールスレターを活用している方は訪問お礼の手紙を、仕事を終えてからそっとポストに投函してください(または即日郵送でも良いでしょう)。

 

先輩営業は労いの言葉を掛けてくれるはずですが、先ずは指示通りに動いてみましょう。

特に先輩が飛び込み経験者だと、再訪のタイミングや適した時間なども指示する場合があります。

そして後輩のあなたは、それに従って再訪活動を計画します。

 

なお見込み客の計画が、建替新築やリフォームのケース(=建てる場所が決まっている場合)と土地探しから始めるケースでは、当然営業の進め方が変わってきます。

 

人の話で恐縮ですが、ある方の初受注は飛び込みによる建替えでした。

 

このお客様は当初リフォームを考えていましたが、途中から建替えに切り替わり、比較的早く工事に着手できたようです。

 

しかし同じく飛び込みで初めて出会ったお客様は、JRにお勤めの土地込みの計画の方です。

 

土地の資料を提案するものの、納得できる土地となかなか出会えず、もちろんプラン依頼にもしばらく進展できませんでした。

 

つまり土地が決まっているかどうかで、契約できるタイミングが随分と変わってくるということです。

このことは業界の常識として押さえておくといいでしょう。

 

なお飛び込みで契約に至るお客様は、どちらかというと短期決戦になることが多いようです。

そして土地が決まらないお客様は、中長期リスト化しやすくなります。

このため、早めに気持ちを切り替えて、新しい見込み客をゲットできるよう、飛び込み訪問による探客活動を併行することです。

 

また飛び込みで出会ったお客様に、再訪の際聞き出しておきたいことは、お客様の勤め先や職種に関する情報です。

 

この情報がしっかりしていないと、先輩社員が同行できない場合がありますので注意しましょう。

 

再訪に活用できるパンフレットや資料は十分あるか?

もう一点重要なことは、再訪に活用できるパンフレットや資料が、社内にどれだけ揃っているかということです。

 

相手が短期客か中長期客なのかを見極めるために、最低でも3度から5度ほど再訪を繰り返すでしょう。

その時手渡せる資料があるかどうかで、俄然再訪がしやすくなります。

 

理想的には『営業引力の法則』の中でも触れた、『地域新聞社物語』のような小冊子です。

なぜなら、ありきたりなパンフレットより、社内(支店)で作った小冊子の方が、かえって顧客の心に残るからです。

 

小冊子の他では、営業マン自作の自己紹介ツールを編集したものでも構いません。

特に自己紹介は初期訪問の営業ツールとして、会社で用意することを義務付けている場合もあります。

 

まず再訪に活用できる資料が会社にあるか、できれば飛び込みを始める前に、点検しておきましょう。

 

顧客を手中に収める究極の解決策は「知識の引き出し」を持つこと

飛び込み営業で初めて優良な見込み客を発見できると、先輩社員の同行を経験することになります。

その際に感じることは、先輩方と自分との知識の圧倒的な差です。

 

このことは、会社や配属された支店の風土によっても違うと思いますが、端的に言うとプロとアマの差です。

そして「これは相当勉強しないと、先輩との差は埋まらないはず」とすぐ気付きます。

 

実は私自身も先輩の知識の差を感じ、その差を縮めようと猛勉強を始めた口です。

 

なぜそんなことを急に持ち出したかと言うと、せっかく見つけた顧客を手中に収めておく究極の解決策は、営業マンが語る圧倒的な専門知識に他ならないということです。

 

もちろん単なる知識の羅列ではダメで、最終的にはお客様が興味を引くものに作り直すのがベストです。

ただその前にまず問われるのは、営業としての十分な知識量です。

 

十分な専門知識によって、住宅営業は複数の「知識の引き出し」を所有できます。

そして「知識の引き出し」があれば、「この場合は、成年後見制度についてアドバイスしてあげる方が適切ではないか?」などと、柔軟な発想が思い付きます。

 

顧客があなたを住宅の専門家と見なすのは、こうしたやり取りが可能な相手と理解した時です。

決して必殺の営業トークや殺し文句などでは、本当の信頼は得られません。

 

一人前といわれるまで、最低でも2年ぐらいは掛かるでしょう。

ただ、そうなった時、あなたの再訪活動がもっと豊かなものに変わってきます。