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専門コラム 第289話 トップを走る人はココが違っている

    

さてこの前の動画[1]は、もうご覧になっていただいたでしょうか。

実は大事なことを言い忘れるところでした。
見ると分かりますが、この動画は「どうしたらトップセールスのように“買ってください”とは言わず、“あなたから買いたい”の世界に到達できるか」を丁寧に解説しています。

そして筆者からも、内容をフォローさせていただく。それがこのコラムの役目で、その前提にあるのが「人柄」の重さということです。 では、ここで言う「人柄」とは、何を指すのでしょう。
今回はあまり観念的にならず、伝えていきたいと思います。


[1] [【一流の営業コツ】トップ営業と売れない営業の差はここ](https://www.youtube.com/watch?v=C2nKW-4BTZQ)

  

トップを走る人はココが違っている

1 トップセールスとは世の中の役に立ちたいと本気で考えている人のこと

 

まずトップセールスと言われる人に共通していることは、彼らが本気で世の中の役に立ちたいと考えているということです。

先回のコラムは、おもに映画『てんびんの詩』に登場する大作の心の移り変わりについて語っています。それは、このことに気づいてもらうためにそのようにしたとも言えます。

大事なことなのでもう一度言います。
トップセールスと言われる人は、漏れなく、世の中の役に立ちたいと考えています。
しかも本気で……

映画『てんびんの詩』は、近江商人を描いた映画であり、当然ながら「三方良し」の概念が息づきています。
そして大作が気づいたこと。それは「売り手、買い手、世間」それぞれが良くなければ、近江商人が目指す正しい商売は成立し得ないということです。

彼は行商という厳しい環境の中で、この商売の真理に到達します。

ただ動画でも言われているように、Win - Win という関係性なども、これに近いと言っていいでしょう。
たとえばアメリカでいえば、先頃 Twitter 社を買収したイーロン・マスク氏も、そして日本では民間の会社で宇宙事業を進めているホリエモンこと堀江貴文氏も、間違いなく、お金ではなく「本気で」世の中を良くしたい、また役に立ちたいという思いから事業、また商売を進めています。

営業である皆さんも、そのほとんどは人柄がいい方ばかりです。
あとは、それをどう表現できるかで、トップとの差がついているのです。

少なくとも伊庭さんは、そういう思いから、この動画を作っています。
皆さんが同じ感情を持つならば、トップの世界にあと少しで到達できます。諦める必要はどこにもありません

    

2 トップセールスは常に「返報性の原理」を意識している

 

順序からすると、次は「商品のストーリーを語れる」ことを解説することになります。
ただこちらは、もう少しテーマを広げて解説したい意図もあり、次回ワンコラムに拡大して、このテーマを掘り下げる予定でいます。

そこで今回は次の、トップセールスとは「返報性の原理」を考え、自身の営業を進めていることについてみていきます。

「返報性の原理」と聞いて、我々が思い出すのはニュースレターではないでしょうか。
これはトップセールスが、意識・無意識にかかわらず、ニュースレターに近いことをやれているということ意味します。
そして彼等は、何か良いことをして差し上げたら、かならず何かが返ってくると思っています。

伊庭さんの表現では「言われたことをする(たとえば、会社から指示がなければ、レターやハガキすら書かない)」のが三流の営業です。そして一流の営業とは「プラスアルファを考える(言われなくても、レターやハガキを積極的に書く)」人だと言っています。

言葉を変えると「ギバー」には、かならずそれに見合ったものが返ってくるということです(『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』を参照)。なぜなら彼らにとって「与える」こと、逆に「与えられる」ことは、ほぼ同義だからです。

この境地は、皆さんの中にも頷ける方がいるのではないでしょうか。 そういう意味で、トップセールスの「人柄」の良さとは、1)彼らが本気で世の中を良くしたいと思考し、2)キャラクター的には徹底したギバーという点で共通していると思います。

  

3 トップセールスは紹介のもらい方が違う

 

また「トップセールスは紹介のもらい方が違う」という伊庭さんの解説で、相手にもリスクを強いる紹介を、あまりに安易に考え過ぎるのではという意見に、筆者は大いに賛同します。

しかし大抵の営業チームの上司は、尋ねてみなければ、またはバッターボックスに入らなければ始まらないとばかりに、お客さまへ闇雲に「ご紹介をいただけませんか?」と聞くように強くプッシュします。

でもこの言葉が有効なのは、アフターが優秀な一部の大手メーカーぐらいではと思います。
しかも「ご紹介をいただけませんか?」というのは、まだ売り手目線の感情が勝ったたずね方です。

筆者は伊庭さんと同様、顧客に「ご紹介をいただけませんか?」と切り出したことはありません。

そうではなく「いま、やり取りさせてもらっている小学校の先生がいるのですが、近々家を見せていただくことは可能でしょうか?」などと OB 顧客に相談します。それは紹介をもらう代わりに、自分の受注応援者を探すという感覚です。

これなら実質紹介を下さる OB も、そして営業も、妙なプレッシャーに感じずに済みます。

実は、売り手目線の紹介ではなく、受注応援ということなら、あなたの支持者は案外いるものです。
またそういう方ほど、家を内見させていただいた際、筆者が黙っていても自宅の説明はほとんどその方がしてくれます。なぜならあなたの応援者も、「いい家を広めること」にとても前向きで「家づくりが好き」な方が多いからです。 この動画は一、二度見ただけでは、中々分かりづらいところがあります。
このコラムが少しでも内容の理解に役立つことがあれば幸いです。

  

 

  

   

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。