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専門コラム 第9話 社員とともに誇らしい気持ちになる

時代の変化で変わるものと変わらないもの

「元気ハツラツ」と聞けば、年配の方の中には大塚製薬のオロナミンCを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。1965年に発売されたオロナミンCは、半世紀以上にわたって「元気ハツラツ」をキャッチフレーズとして使い続けています。

同じ栄養ドリンクである大正製薬のリポビタンDのキャッチフレーズは「ファイト!一発!」ですね。2人の若者が力を合わせて困難な自然に立ち向かうシリーズで知られ、1977年にスタート。しかし、2016年に「ファイト!一発!」は消えました。販売量低下に歯止めをかけるためにイメージチェンジを図ったようです。

一方、「24時間戦えますか?」という三共(現第一三共ヘルスケア)のリゲインのキャッチフレーズは強烈でした。登場したのはバブルがはじける直前の1989年。しかし、2年後には消え去りました。まさに時代を背景にした言葉で、その後の過労死の社会問題化を考えればやむを得ないところでしょう。そして現在、働き方改革の下では、「24時間戦うのはしんどい。」「3、4時間戦えますか?」に替わっています。

テレビCMだからこそ、時代の変化には敏感にならざるをえないということでしょう。それに比べれば、「元気ハツラツ」という言葉は使い道の広い言葉で、岐阜県大垣市の大垣商店街は月1回「元気ハツラツ市」を開いていますし、愛知県一宮市では介護予防をテーマにした「元気はつらつ川柳」を募集しています。

数少ない例外はありますが、時代の変化を見極めて、自ら変わっていくということは、会社が成長を続けていくためには欠かすことができないポイントでしょう。松下幸之助もこう言っています。

昨日の考えは、今日は一新されていなければならない。
今日のやり方は、明日はもう一変していなければならない。

それでも、時代の変化にあらがえないこともあります。1967年から半世紀以上の歴史を持つ森永チョコフレークの販売終了などはその象徴のようなものです。

売り上げ低下が直接的な原因ですが、その理由というのが、指が汚れてスマホを扱いづらいからというのは、時代の変化そのものと言えるでしょう。半世紀前にはスマホなど存在していなかったのですから。

「下町ロケット」が教える夢の力

「元気ハツラツ」には、「気力が充実していて、生き生きしていること」という意味があります。単に体が健康なだけでなく、気持ちが前向きになっている状態を言います。

あなたが経営者であったら、どんなときに前向きになって会社を引っ張っていけるでしょうか――。答えは言わずもがなでしょう。順調に売り上げが伸び、会社が成長を続けているときほど、やる気がみなぎり、会社全体が明るく元気がいいときはないはずです。

しかし、だれもがそうありたいと願いながら、現実には事業縮小や倒産に追い込まれている会社が少なくないのが現実です。東京商工リサーチのまとめでは、2018年の中小企業の倒産は、前年より減ったものの8235件。その原因の7割以上が販売不振でした。そんな中で、毎年順調に利益を挙げて、会社全体が元気ハツラツになるためには何が必要でしょうか。

業務プロセスの見直し、マーケティングの強化、商品開発への投資、労働人口の減少に対応した多能工化や兼任化、ITの導入、あるいはM&Aなど、業種や自社が置かれた状況によって取りうる手段はさまざまでしょう。

しかし、どんな業種でも共通して大切なのは、先に挙げた時代の変化に対応できる仕組みの構築とともに、経営者自身の熱い思いを社員全員が共有することではないでしょうか。

テレビドラマでも大ヒットした池井戸潤の「下町ロケット」で、ロケットエンジンの技術者だった主人公の佃製作所社長、佃航平は、特許を得た独自技術でロケットの水素エンジンを自社製造しようとします。しかし、若手社員の多くは、技術者としての夢を追う社長を批判。確実な収入が得られる特許の貸与を主張して、会社は不協和音を奏でます。

その時、佃社長はこう言いました。

仕事っていうのは2階建ての家みたいなもんだと思う。1階部分は飯を食うためだ。必要な金を稼ぎ、生活していくために働く。だけど、それだけじゃあ窮屈だ。だから、仕事には夢がなきゃならないと思う。それが2階部分だ。夢だけ追っかけても飯は食っていけないし、飯だけ食えても夢がなきゃつまらない。お前だって、うちの会社でこうしてやろうとか、そんな夢があったはずだ。それはどこへ行っちまったんだ。

どんな会社にも会社設立の目的があるはずです。会社としての使命や存在意義であり、夢や将来こうありたいと願う姿です。それらを理念・ビジョンとして言葉にしている会社も多いでしょう。

理念・ビジョンは正しいものでなければなりません。正しいというのは、世の中への貢献を企業活動の根底に据えているということです。他社に勝つこと、目先の利益だけを追い求めるものであれば、すぐに色あせてしまいます。こうした視点で打ち立てた理念・ビジョンを踏まえた成長であればこそ、その成長に誇りが持てます。

しかし、往々にしてそれらは形がい化してしまいます。あるいはトップや上層部は意識していても、下に浸透していないケースもよくあります。お題目のように毎日唱えていればいいというものでもありません。それらが具体的に部下の生きがいやモチベーションにつながって初めて、会社としての推進力になります。

理念や戦略が完成し、浸透したとしても、メンバーに対する評価がそれに基づいていない限り、組織がマネジメントされているとはいえず、真剣に行動することを促進することができない。

これはマネジメントの発明者といわれるピーター・ドラッカーの言葉です。

顧客満足度を高めて売り上げを伸ばすエクスターナルマーケティングとともに、社員の満足度を向上させて高い顧客サービスを実現するインターナルマーケティングを忘れてはいけないのです。

元気ハツラツなのはとても素晴らしいことです。それを社内にも浸透させましょう。

                                      

あなたは、正しい理念・ビジョンの下、毎年順調に利益が増えていく会社をつくって、社員とともに誇らしい気持ちになりたくありませんか?

                                    

                                     

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